アオスジアゲハ(青条揚羽)
 アオスジアゲハ(青条揚羽)は、アゲハチョウ科アオスジアゲハ属のチョウです。アジア、アフリカに分布し、日本では本州以西、四国、九州、沖縄に分布する在来種です。名の由来は、羽に青色の筋模様があるアゲハである事から。アゲハは羽を揚げて吸蜜する動作からと言われています。英名は、Common Bluebottle。

 アゲハチョウ科(Papilionidae Latreille, 1802)は、世界に広く分布し、4亜科約550種類があるとされています。アオスジアゲハ属(Graphium Scopoli, 1777)は、アジアに広く分布し、日本には2種が生息します。

 4月から10月頃に現れます。前翅長は約32~45mm。濃茶地で、前翅と後翅に鱗粉が無く半透明になった青緑色の帯模様があります。このパステル調の色は、テトラピロール系色素(Tetrapyrroles)によるものと言われています。後翅裏面に小さな赤い斑文があるものと無いタイプがあります。大きな複眼1)は、15種類の色センサー(視細胞)2)があり、色識別能力に優れていると推測されます。めまぐるしく飛び交い、止まる時は翅を閉じる事が多いようです。花で吸蜜し、地面で給水します。

 完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)をします。主にクスノキの葉に産卵します。卵は黄色。1齢幼虫は、棘が生え黒っぽく、約3mm。5齢幼虫は、暗緑色で頭部義眼付近に薄緑色の横筋があり、約4cm。蛹になる直前は黄緑色。蛹で越冬します。キアシブトコバチ3)に寄生される事があります。

1)複眼(compound eye):個眼の集合体。個眼には、角膜、水晶体、感桿(かんかん)、視細胞、色素細胞がある。短い波長に対する感受性が高い。
2)Extreme spectral richness in the eye of the common bluebottle butterfly, Graphium sarpedon. Frontiers in Ecology and Evolution 2016. 陳姵如(Pei-Ju Chen)(総合研究大学院大学)、他
3)キアシブトコバチ(黄脚太小蜂)
ハチ目(膜翅目)アシブトコバチ科
学名:Brachymeria lasus (Walker, 1841)

Japanese common name : Aosuzi-ageha
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Graphium sarpedon nipponum (Fruhstorfer, 1903)
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くりっとした大きな複眼

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2014.09.12


アオスジアゲハ(青条揚羽)
チョウ目(鱗翅目)アゲハチョウ科アオスジアゲハ属
学名:Graphium sarpedon nipponum (Fruhstorfer, 1903)
Type species : Graphium sarpedon (Linnaeus, 1758)

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分布:本州・四国・九州・沖縄
出現期:4月~10月/年3~4回
体長:(開張)80~85mm/(前翅長)32~45mm
食草:クスノキ科(クスノキ、タブノキ)

撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡(Alt. 435m) 2008.08.04, 2014.09.12
帆掛山・梶原山 2012.08.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 21 August 2017
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# by pianix | 2017-07-10 00:00 | | Trackback | Comments(0)
カテンソウ(花点草)
 カテンソウ(花点草)は、イラクサ科カテンソウ属の多年草です。日本、中国、韓国、台湾に分布します。日本では、本州、四国、九州に分布します。名の由来は、不明。点のような小さな目立たない花を咲かせる事からとの説がありまが、中国語では異なります。中国名は、花點草(huā diǎn cǎo)。

 イラクサ科(Urticaceae Juss. (1789))は、熱帯から温帯にかけて約47属1300種、日本に11属約40種があります。カテンソウ属(Nanocnide Blume (1856))は、3(2)種が分布します。

 山野の木陰に自生します。匍匐枝で繁殖します。草丈は、10~30cm。茎に白毛が散生します。葉は互生します。菱形状卵形で、長さと幅は1~3cm。鋸歯があります。葉柄は1~5cm。花期は、4月から5月。雄花序は茎先の葉腋から集散花序を出します。約4cmの花柄の先に花被片5個の小さな花をつけます。

 雄しべ5個は丸まっていて、開花時に放射状に1本づつ勢いよく広がり、花粉を散布します。雌花序は葉腋に固まってつきます。柄が無く、花被片4個で淡紅色。雌雄同株(希に異株)の風媒花。果実は痩果です。長さ約1.5mm。花被に包まれ、宿存萼があり、種子1つを含みます。

 日本に分布するカテンソウ属は次の2種を含みます。南西諸島に分布する、シマカテンソウ(島花点草)Nanocnide lobata Wedd. は、別名ヤエヤマカテンソウ(八重山花点草)で知られています。鹿児島県に分布する、トウカテンソウ(唐花点草)Nanocnide pilosa Migo [絶滅危惧I類]は、中国名で毛花點草。シマカテンソウと同一種との見解があります。

Japanese common name : Katen-sou
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Nanocnide japonica Blume
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叢生するカテンソウ


カテンソウ(花点草)
別名:ヒシバカキドオシ(菱葉籬通)
イラクサ科カテンソウ属
学名:Nanocnide japonica Blume
花期:4月~5月 多年草 草丈:10~30cm 花径:2~3mm

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【学名解説】
Nanocnide : nannos(矮小)+cnide(イラクサ)/カテンソウ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Blume : Carl Ludwig Blume (1789-1862)

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷 2011.04.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 16 February 2017
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# by pianix | 2017-02-16 00:00 | | Trackback | Comments(0)