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ユキノシタ(雪の下)
 ユキノシタ(雪の下)は、ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草です。日本、中国に分布し、日本では本州、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、冬の雪下で枯れずに残るからとか、白い花を雪に見立てて下に葉があるから(牧野富太郎)等の諸説があります。中国名の虎耳草(こじそう)は、葉が虎の耳に似ている事から。

 ユキノシタ科(Saxifragaceae Durande, 1782 ex A.L. de Jussieu, 1789)は、世界に約110属、1200種が分布します。ユキノシタ属(Saxifraga C. Linnaeus, 1753)は、北半球に約300種が分布し、日本には16種が分布します。日本固有種は6種1)があります。

 山地の半日陰や岩場などで自生します。また、民間薬や山菜として用いられてきた事もあり、植栽も多くみられます。紅紫色で糸状の長い匍匐枝2)を出し、栄養繁殖します。草丈は20~50cm。茎は紅紫色。茎、葉、萼の全体に毛が密生しています。葉は根生します。腎円形で、浅い鋸歯があり、基部は心形で、長さ3~6cm、幅3~9cm。5~13cmの長い葉柄があります。アントシアン色素による赤味を帯びた緑色で、葉脈に沿って白色の筋があります。葉裏は赤紫色。

 花期は、5月から7月頃。花茎の先に円錐状集散花序をつけます。花は白色で、左右相称の離弁花です。花弁は5枚。上側3枚は卵形で先端が尖り、長さ3.5~5.5mm。紅色の斑点があります。下側2枚は披針形で、長さ12~20mm、幅4~8mm。花冠全体は、長さ20~28mm、幅15~25mm。萼は5裂し、腺毛があります。両性花。雄しべは10本で、葯色は紅色。花弁に沿って放射状に平開し、やがて前方に立ち上がり花粉を放出します。その後、元の位置に戻ります。雌しべ花柱は2本。雄しべ基部に子房を覆う黄色の花盤(蜜腺)が半円状にあります。

 果実は蒴果です。先端が2裂したくちばし状。種子は0.2mm程の楕円形で、細かい突起があります。染色体数は、2n=30(Ma et al.,1990)、2n=30,36,54。

 漢方薬として、乾燥葉を虎耳草(こじそう)として用います。民間薬として、解熱、鎮咳、消炎、解毒、利尿、止血等の広範囲に用いられてきました。主要成分は、硝酸カリウム(potassium nitrate)、塩化カリウム(potassium chloride)、ベルゲニン(Bergenin)。硝酸カリウムは毒性が強い食品添加物として知られています。山菜として、葉を天ぷらなどにします。


1)日本の固有種
エゾノクモマグサ(蝦夷の雲間草)Saxifraga nishidae Miyabe et Kudo
エチゼンダイモンジソウ(越前大文字草)Saxifraga acerifolia Wakabayashi et Satomi
ハルユキノシタ(春雪の下)Saxifraga nipponica Makino
フキユキノシタ(蕗雪の下)Saxifraga japonica H.Boissieu
ジンジソウ(人字草)Saxifraga cortusaefolia Sieb. et Zucc.
センダイソウ(仙台草)Saxifraga sendaica Maxim.

2)匍匐枝(ほふくし):主茎基部から地上近くを水平に這って伸びる茎で、植物体になる芽をつけるもの。栄養繁殖集合体を形成して栄養繁殖する。(匍匐茎(ほふくけい|stolon)。

Japanese common name : Yuki-no-sita

Saxifraga stolonifera W.Curtis


崖の法面に、驚くほど密生したユキノシタ。


花中央に見える黄色の部分は花盤で、半円状につく。花茎や萼には毛が密生する。


円錐状集散花序。葉は基部が心形の腎円形。


ユキノシタ(雪の下)
学名:Saxifraga stolonifera W.Curtis
ユキノシタ科ユキノシタ属
花期:5月~7月 多年草 草丈:20~50cm 花冠長:20~28mm

【学名解説】
Saxifraga : saxum(石)+ frangere(砕く)/ユキノシタ属
stolonifera : stolonifer(匍枝を持った)
W.Curtis : William Curtis (1746-1799)



撮影地:静岡県静岡市
葵区牧ヶ谷 2008.05.27
高山(牛ヶ峰 Alt.716.9m) 2008.05.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 30 March 2012
# by pianix | 2012-04-03 09:07 | | Trackback | Comments(4)
シマヘビ(縞蛇)
 シマヘビ(縞蛇)は、ナミヘビ科ナメラ属の蛇です。北海道、本州、四国、九州に分布する、日本固有種です。名の由来は、縞のあるヘビから。ヘビの仲間(ヘビ亜目)は世界に17科約3000種があると言われています。ナミヘビ(並蛇)科(Colubridae Oppel, 1811)は、南極以外の全大陸に分布します。約2000種があり、ヘビの仲間の約2/3を占めます。ナメラ(滑羅)属(Elaphe Fitzinger, 1833)は、北アメリカ大陸、ユーラシア大陸、インドネシア、日本、台湾に分布します。

 有鱗目です。日本に分布する蛇の内でアオダイショウに並んで、よく見かける普通種です。平野から山地に生息していますが、環境の変化で山地の分布が多くなったようです。昼行性です。全長は、80~150cmが普通で、200cmに達するものは一部地域に限られ希です。体色は黄褐色から褐色で、4本の黒褐色縦縞があります。これがこの蛇の名の由来です。色素の異常による色彩変異も多く、カラスヘビ(烏蛇)と呼ばれる眼も体色も黒色のものや、白色のアルビノ(Albino)変異体があります。眼が赤いのが特徴。腹の部分(腹板)は無模様で、白乳色や黄色です。

 カエルなどの小動物を餌にします。気は荒い方で攻撃的です。尾を振るわせて威嚇したり、咬みついてくる事があります。毒はありませんが噛まれたら消毒が必要です。繁殖は卵生です。4月から5月頃に交尾をして、7月から8月頃に白色で細長い卵を4~15個生みます。孵化は40~50日間程です。幼蛇は赤味を帯びた体色で赤褐色の横縞模様があります。

★  ★  ★

 啓蟄の翌日に、山地で2種類のヘビに遭遇しました。気温が上がった日でした。蕗の花にハナアブがいたのを見て、確かに啓蟄だと感じたばかりでした。シマヘビは、ヘビの仲間では春先に一番早く現れるとの事です。カメラを構えただけで、とぐろを巻いて飛びつく動作を何回もしました。ヘビどころか生きもの全般が苦手な私は、早く逃げてくれないかなと願いつつ、今しばらくポーズをとってもらい撮影したいという複雑な思いでした。眼の後ろにある黒色の筋模様はアオダイショウとも似ていますが、眼が赤い事で見分ける事ができます。

有鱗目:(ゆうりんもく|Squamata)鱗がある爬虫類で、トカゲやヘビの仲間の総称。

Japanese common name : Shima-Hebi

Elaphe quadrivirgata (Boie, 1826)


おやおや、木に登るのかい。じゃなくて邪魔だったんだね。横をすり抜けてヌルヌル。
カメラを向けただけで臨戦態勢。気性が荒い。何度も、噛んじゃうぞと飛びかかろうとする。
いつまでも怒っていないで逃げた方が良いと思うけど、シマヘビは引き下がりません。
目が赤いのは徹夜したからではないよ。
学名quadrivirgataは、4本の線、ナメラ属の滑羅は、なめらかな表面を意味する。
舌を出すので写そうと思ったが駄目でした。


シマヘビ(縞蛇)
有鱗目ナミヘビ科ナメラ属
学名:Elaphe quadrivirgata (Boie, 1826)

分布:北海道、本州、四国、九州
全長:80~200cm
餌:カエル、トカゲ等の爬虫類、両生類



撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡(Alt.435.2m) 2012.03.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 25 March 2012
# by pianix | 2012-03-24 00:00 | その他の生物 | Trackback | Comments(0)
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