アメリカセンダングサ(亜米利加栴檀草)は、キク科センダングサ属の1年草です。北アメリカ原産で、大正時代に日本に入ってきたと言われていて、非意図的移入とされています。現在は日本各地に分布します。名の由来は、センダン(栴檀)に葉の形状が似ていてアメリカ原産である事から1)。タウコギ(田五加木)よりも背が高いことから別名を、セイタカタウコギ(背高田五加木)2)。中国名は、大狼杷草(dà lángpá cǎo)。生態系被害防止外来種の「その他の総合対策外来種」に指定されています。旧要注意外来生物に指定されていました。
キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。センダングサ属(Bidens L. (1753))は、暖帯から熱帯に約200種が分布します。 荒地や畑地に自生します。草丈は、100~150cm。茎は4稜があり暗紫色。葉は対生します。小葉は3~8枚で、鋸歯があります。 花期は9月から10月頃。枝先に黄色の頭状花を付けます。総苞片は6~12個で花冠より長く、コセンダングサとの明瞭な相違点となります。花径は、約7mm。頭花は、筒状花と小さい舌状花からなり、冠毛があります。両性花です。果実は痩果です。扁平で、2本の鉤状突起があります。染色体数は、2n=48。 毎年お世話になる、俗称ひっつき虫は幾つかあります。初夏にヤブジラミ(藪虱)。小さな実がびっしりと取り付くと始末に負えません。秋になるとオオオナモミ(大雄生揉)。大きい実なので取り払うには楽ですが痛いです。ヒナタイノコヅチ(日向猪の子槌)は小さい実で、丁寧にはがさないと棘状の小苞が残ります。アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)は薄く、べったりと貼り付くので剥がすのがやっかいです。そしてお馴染み、2本のトゲを持った細い実のセンダングサ。私の住んでいる近辺では、ほとんどがコセンダングサ(小栴檀草)で、アメリカセンダングサは珍しい方に入ります(2005年当時)。→「ひっつき虫」をまとめて見る 草藪に入らなければ別に被害に遭う事もないと思います。もし取り付かれたら、その場で払い落とすようにしています。拡散させないためです。また、この時期は実が付かないような素材の衣服を使用するようにしています。 脚注: 1)アメリカセンダングサの命名者は、中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)。 2)セイタカウコギの命名者は、牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)。 Japanese common name : Amerika-sendan-gusa アメリカセンダングサ(亜米利加栴檀草) 別名:セイタカタウコギ(背高田五加木) キク科センダングサ属 学名:Bidens frondosa L. 花期:9月~10月 1年草 草丈:100~150cm 花径:7mm 【学名解説】 Bidens : bi(2)+dens(歯)/センダングサ属 frondosa : 葉面の広い L. : Carl von Linne (1707-1778) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から9.75km 右岸河川敷 2005.09.16, 2005.09.17 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 20 September 2005 Last modified: 22 November 2017
by pianix
| 2005-09-20 00:00
| ひっつき虫
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Comments(4)
草花にひかれて、お邪魔しました。また寄らせていただきます。
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子供の頃この花の種を投げつけあいっこして遊びました。
どちらのせんだん草だったのかな~
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pianix at 2005-09-20 22:23
ゆうこ様
ブログ拝見させていただきました。 ちょっと重たいテーマかなと思いました。 でも、私が野の花を見るのは、そのテーマの為です。 野の花を見る事は、私自身を見ているのと同じです。 文学にほど遠い私ですが、またよらせていただきます。 コメントありがとうございました。
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pianix at 2005-09-20 22:37
mico様
目下、我が教室のちびっ子達は、オオオナモミを楽しんでいます。 センダングサの実を、こどもの頃に投げっこしたのですね。 私が子供の頃は、遊ぶ道具が限られていました。 テレビは真空管の白黒。足が生えていた奴です。 宿題を何もやらずに大勢の仲間と夕食になるまで野山を駆けめぐっていました。 だから、そのころの野草は空気のような存在だったのだと思います。 しばらく遠ざかっていました。野草などは目に入りませんでした。 自分の世界から消滅していたも同然でした。 童心に戻って野草を眺めると、幼い頃にごく自然にふれあっていた事を思い出します。 micoさんがお隣だったら、思いっきりいたずら心を働かせて、オナモミやセンダングサを引っ付けて私は喜んでいるかもしれません。 ……子供よりも始末に負えないおじさんになってしまいました。 いや、お兄さんになってしまいました。
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 1月末日現在) 合計677,147人 (前年同月比 -5,763人) 男:329,734人 女:347,413人 世帯数324,434戸 (前年同月比 +1.576戸) 最新のコメント
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