メハジキ(目弾)
 メハジキ(目弾)は、シソ科メハジキ属の2年草です。茎は四角形、上下で全く様相の異なる葉1)をつけるのが特徴で、高さは60~100cmになります。寒さに弱い越年性の二年草で、シソ科らしい唇形の花をつけます。花冠の長さは10~13mm、萼は6~7mm。

 野草は、色々な場面で役に立っています。メハジキ(目弾)は、昔の子供の遊び道具でした。茎を瞼の間に挟み、閉じる勢いで弾き飛ばす遊びです。野性味あふれる昔の子供ならではの遊びで、今時の子供には流行りません。

 このメハジキは、養命酒にも入っています。14種の生薬の内のヤクモソウ(益母草)と記載されているのがこれです。根、茎、花、葉、実の全体が使われ、婦人薬(産前産後に用いる)として古来から使われてきました。英名のMother wort(母の草)は、近似種のLeonurus cardiacaを指しますが、洋の東西を問わず似たような意味合いの名前が付けられています。

☆  ☆  ☆

 京大のグループが植物の開花指令を出す仕組みを8月(2005年)の米科学誌サイエンスに発表しました。1937年に開花伝達に関わる花成ホルモン「フロリゲン(Florigen)」がチャイラヒャン(M.Kh.Chailakhyan 1902-1991)氏によって提唱されて以来、もっとも重要な解明の一つではないでしょうか。タンパク質「FT」が、そのフロリゲンではないかという論文です。

 一般的には、花を咲かせる仕組みが未だに分かっていなかったのかと驚かれるかもしれません。その通りで、分からない事はたくさんあります。大体が、人間が生物を根源から作った事は一度もありません。その意味でも、身近な植物であっても謎だらけと言えるのではないでしょうか。この研究で使われたのはアブラナ科のシロイヌナズナ(白犬薺)Arabidopsis thaliana (L.) Heynh.。今や植物分子生物学の最先端を行く野草として有名になりました。

1)※葉の形状
(上)茎頂(けいちょう)=切れ込みがなく、披針形(ひしんけい)か線状。
(中)茎生葉(けいせいよう)=下部は対生で、長柄があり、3深裂し羽状に切れ込む。
(下)根出葉(こんしゅつよう)=長柄があり、卵形、葉縁は小波状。

Japanese common name : Mehajiki
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Leonurus japonicus Houtt.


メハジキ(目弾)
別名:ヤクモソウ(益母草)
シソ科メハジキ属
学名:Leonurus japonicus Houtt.
花期:7月~10月 2年草 草丈:60~100cm 花径:6~7mm

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【学名解説】
Leonurus : leon(ライオン)+ oura(尾)/メハジキ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Houtt. : Maarten (Martin) Houttuyn (1720-1798)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から5.75km 右岸河川敷 2005.09.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 30 September 2005
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by pianix | 2005-09-30 00:00 | | Trackback | Comments(4)
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Commented by mico at 2005-10-01 19:44 x
ヤクモソウ初めての花です。難しいことはわかりませんが
可愛い花ですね
Commented by pianix at 2005-10-01 23:57
それが、大きな葉を広げて背が高く、ひょろっと立つので、可憐という感じではないのですよ。
Commented by yamome516 at 2005-10-02 09:57
ヤクモソウ言うのも、初めてです。
まだ、まだ、知らない花がたくさんあります。
私にとってはいい勉強になって、楽しいページです。
ありがとうございます。
Commented by pianix at 2005-10-02 13:37
yamome516さん
お早うございます。日曜日の午前中は教会礼拝出席のため在宅していません。午後はあわただしく動き回ります。日曜日はきついなあ、ふう。
そんな中、お年寄りにメハジキの事を聞いてみました。
メッパジキと言っていたそうで、遊んだ記憶があるとの事でした。
昔の子供(今の高齢者)達がどのように過ごしていたのか話を伺うのは大変楽しいです。幼年期に自然とふれあう機会を持たないと、大切な過程を飛ばしてしまう事になるので、後々大変な思いをする事になるとの論議が盛んになってきました。子供らしくない子供が増えましたが、同時に大人らしくない大人も量産されているそうです。これも、成長過程での欠落が長い期間を経て効いてくる現象かと思われます。
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