草を踏みしめて歩くと、小さな蛾がパラパラと逃げまどいます。君を撮影したいのだとカメラを向けても、葉の裏に隠れていまいます。時間がないので写しやすい蛾にカメラを向ける事になります。隠れている蛾をしっかりと見てみたいものです。このベニスジヒメシャクは、葉の表に止まってくれます。美しい薄紅色の筋が印象的です。
植物ばかりを見ている者にとっては、初めて昆虫などの学名を見た時は驚きます。植物ではあり得ない構造の学名だからです。属名と種小名を書く二名法に慣れていると、亜種小名(subspecific name)まで入っている三名法(nomenclator trinominalis)に困惑するのです。国際動物命名規約(International Code of Zoological Nomenclature)と国際植物命名規約(International Code of Botanical Nomenclature)では異なるので、このような事が起きるわけです。慣れの問題でしょう。 このような小さな虫ですが、奇しくも私と同じ時代に生まれ、同じ地球に住んでいます。私が生きている間に、同時に生きている生物を記憶にとどめておきたいと思い、身近な昆虫もブログに収めるようにしています。勿論、全てを見る事はできないでしょう。数が多すぎます。身近な昆虫だけでも膨大な数です。しかし、図鑑やテレビ画面で見るだけでなく、実際に出会う事の重要性も考えています。 昆虫は苦手なのですが、この自然界には多様な生物がいて、自分の都合だけで成り立っている訳ではない事も確かです。 本種とよく似た仲間を参考に記載しておきます。 ウスベニスジヒメシャク:Timandra dichela (Prout, 1935) コベニスジヒメシャク:Timandra comptaria Walker, 1863 サキシマベニスジヒメシャク:Timandra sakishimensis (Inoue, 1971) トガリベニスジヒメシャク:Timandra convectaria Walker, 1861 フトベニスジヒメシャク:Timandra apicirosea (Prout, 1935) ベニスジヒメシャク(北海道亜種):Timandra recompta ovidius (Bryk, 1942) Japanese common name : Benisuzi-himesyaku ベニスジヒメシャク(紅条姫尺蛾) チョウ目(鱗翅目)シャクガ科ヒメシャク亜科(本州以南亜種) 学名:Timandra recompta prouti (Inoue, 1958) 体長:(開張)20~25mm 分布:本州・四国・九州・対馬 出現期:5月~7月/8月~9月 食草:タデ科(ミゾソバ、イヌタデ、イタドリ、スイバ) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から11.25km 左岸河川敷 2005.09.12 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] Last modified: 5 October 2005
by pianix
| 2005-10-05 00:00
| 虫
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Comments(2)
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yamome516 at 2005-10-06 11:46
蛾の仲間は、きれいだけど、どこか怖かったですね!
大きさか?模様だったのでしょうか? 裸電球に照らされた影だったのでしょうか? 良く見ると、美しいです。(笑い) 羽の、スジの入り方も、とても鮮明にとれていて、 大変わかりやすい写真です。(いつもながら?お見事!)
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pianix at 2005-10-06 13:20
蛾の多くは夜行性なので、夜と相まって恐怖心を駆り立てるのかもしれませんね。。恐いもの、気持ち悪いものは大嫌いなのですが、実際に出会って眺める事で相手を正確に把握出来ると考えるので、我慢してカメラを向けます。私は蜘蛛が恐いのです。何故恐いのかを知るために毎日カメラを向けます。そして急いで退散します。ハエトリグモでも後ずさりするので家内にせせら笑いされます。(笑)
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 2月末日現在) 合計676,607人 (前年同月比 -5,483人) 男:329,454人 女:347,153人 世帯数324,388戸 (前年同月比 +1.770戸) 最新のコメント
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