ヤブマメ(藪豆)
 ヤブマメ(藪豆)は、マメ科ヤブマメ属の1年草です。日本、中国、朝鮮半島に分布します。日本では、全国に分布する在来種です。名の由来は、藪に生える豆から。中国名は、野毛扁豆。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、約650属12000種が分布します。日本には41属100種が分布します。エングラー体系では、Leguminosae Juss. (1789)。ヤブマメ属(Amphicarpaea Elliott ex Nutt. 1818)は3種が分布します。

 見たところ何の変哲もない植物です。花は紫色の蝶形花で、如何にもマメ科らしさが出ています。葉は3出複葉で互生、小葉は両面に毛があります。茎にも下向きの褐色毛があります。絡みつく事と茎の様子が、クズ(葛)に似ていなくもありません。ところがです。花は解放花と閉鎖花を付け、生存競争を巧みに生き残る作戦を持っているのです。閉鎖花は地下部に花をつけます。

 花ができれば種子ができます。地上部の種子(豆果)は有性生殖であり、地下の種子は単為生殖と、手の込んだ事をしています。有性生殖ということは多様な遺伝情報を持つ事になり、単為生殖であればクローンのようなもので、全く同じ性質を維持する事になります。地上部では種をはじき飛ばし、地下部では大きな種が、親が枯れた後に芽を出す事になります。閉鎖花はスミレなどにもありますが、地下部につけるのは珍しいでしょう。地上と地下とで、2重の生き残りを計っているのです。染色体数は、2n=22。

★  ★  ★

 このような生物のデザインを知る度に、不思議に思うのです。どのようにして種子を飛ばす事を知り得たのでしょう。又は、俗称ひっつき虫のような種が動物に着きやすい事をどのように知ったのでしょうか。生物の進化過程によって勝ち得たもの、という説明だけでは理解しにくい所があります。もっと言えば、どうして生物は色々な手段を持って生き残る事を選択するのでしょうか。生き残って何か良い事でもあるのかなと考えてしまいます。生物のデザインが指し示している事は、生物は生きる事が最上であるという、有無を言わせない不思議な事実です。

Japanese common name :yabu-mame
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Amphicarpaea bracteata (L.) Fernald subsp. edgeworthii (Benth.) H.Ohashi var. japonica (Oliver) H.Ohashi

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花は筒状の蝶形花で長さ1.5~2cm。葉は三出複葉で長さ3~6cmの卵形。


ヤブマメ(藪豆)
マメ科ヤブマメ属
学名:Amphicarpaea bracteata (L.) Fernald subsp. edgeworthii (Benth.) H.Ohashi var. japonica (Oliver) H.Ohashi
synonym : Amphicarpaea edgeworthii Benth.
花期:9月~10月 1年草 草丈:100cm~(蔓性) 花長:15~20mm 豆果長:2~3cm

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【学名解説】
Amphicarpaea : amphi(双方の)+carpos(果実)/ヤブマメ属
bracteata : bracteatus(包葉のある)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Fernald : Merritt Lyndon Fernald (1873-1950)
subsp. : subspecies(亜種)
edgeworthii : Michael Pakenham Edgeworth (1812-1881)の
Benth. : George Bentham (1800-1884)
H.Ohashi : 大橋広好 Hiroyoshi Ohashi (1936- )
var. : varietas(変種)
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形/japonicum(中性形)]
Oliver : Daniel Oliver (1830-1916)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.50km 右岸河川敷 2005.10.03
安倍川水系/内牧川 上流 2015.10.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

7 October 2005, 4 October 2015
Last modified: 16 September 2017
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by pianix | 2005-10-07 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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