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アオバハゴロモ(青羽羽衣)
 アオバハゴロモ(青羽羽衣)は、アオバハゴロモ科アオバハゴロモ属の昆虫です。属名に「Geisha」と名が付けられています。別に何の芸も持ち合わせてはいませんが、属名に日本語が無意味に使われている例です。「芸者」を使ったのは、「芸者のように美しい」という意味合いなのでしょう。

 アオバハゴロモの成虫は、ちょっと見には蛾のようです。しかし、半翅目、つまりカメムシの仲間です。カメムシの仲間の特徴は、口が針状になっていることの他に、葉裏に隠れる性質があることです。驚かすと、堅い感じにピンと跳ね、羽ばたいて逃げます。その時、初めて蛾ではないと気が付きます。薄緑色に薄い紅色の縁取りがあり、美しいと思う人が多いようです。

 幼虫は様子が全く異なり、白い毛の埃のような綿状分泌物に覆われています。綿のような汚れに見えて、虫とは思えないかもしれません。触ると飛び跳ねて逃げるので、生き物だと気が付きます。成虫は蛾のように、幼虫は汚れのように見える、ちょっと変わった生き物です。日当たりと風通しが悪い場所の枝などに一列に産卵します。卵で越冬し、5月頃に孵化します。卵、幼虫、成虫の段階を経て成長します。

 樹木の汁を吸う、吸汁性害虫とされています。実害はあまり無いようですが、群れをなす事があり、多発すると「スス病」を発生させます。幼虫の綿状分泌物が園芸植物に残ると美観を損ねます。

参考:ベッコウハゴロモ(鼈甲羽衣)

Japanese common name : Aoba-hagoromo
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Geisha distinctissima (Walker, 1858)
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葉の上の成虫
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白い綿状分泌物をまとった幼虫


アオバハゴロモ(青羽羽衣)
カメムシ目(半翅目)アオバハゴロモ科アオバハゴロモ属
学名:Geisha distinctissima (Walker, 1858)

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体長:9~11mm
出現期:7月~10月(年1回)
分布:本州・四国・九州・沖縄
食草:ミカン類、クワ、イチジク、ナシ、ウメ、サクラ、キイチゴ、ヤブガラシ、フジ

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.5km 右岸河川敷 2005.09.20
葵区/2015.07.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

18 November 2005
Last modified: June 21 2008
アオバハゴロモ(青羽羽衣)_e0038990_1703595.gif

by pianix | 2005-11-18 00:00 | | Comments(0)
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