スミレ(菫)
 今の時期、安倍川の堤防や河川敷は工事だらけです。除草作業や堤防補強、橋架工事などで立ち入る事ができなくなっている場所が多くあります。野草観察のため目的地へ到着すると、「おお、マルガリータ」と叫ばなければなりません。どこかの国のmargaritaさんを呼んでいるのではなく、「丸刈りだ」をふざけて言うとこうなります。観察など全くできません。毎年の事としても、今年は除草作業の時期がずれている感じがします。

 安倍川は静岡市を流れる第1級河川で、いくつもの支流でできています。一番下流側にある支流の藁科(わらしな)川の土手も草刈りされていました。しかし、そこにスミレが咲いていました。草刈りの後、一番乗りで花を咲かせています。見渡すと、大量に咲いていて、今は春なのかと錯覚させられました。しかし、静岡では毎年、この時期にも咲きます。これから寒くなるか暑くなるかは別にして、スミレの言い分としては、同じ気温の時期という事なので咲きたくなるのでしょう。

☆  ☆  ☆

 スミレ(菫)は、スミレ科スミレ属の多年草です。数多くあるスミレの仲間の代表的なものです。日本全国に分布して、性質が強く、日当たりの良い場所に生育します。名の由来は、距の部分が大工が使用する墨壺(墨入れ)に似ているからとの説があります。墨壺は、墨を入れる船形の容器に糸を巻いた車輪(壺車)が端に付いた形の、真っ直ぐな線を引くための道具です。

 スミレ科(Violaceae Batsch (1802))は、21属約800種が存在し、その内、約500種は木本です。スミレ亜科には19属があり、スミレ属(Viola L. (1753))は約400種です。スミレは交雑しやすいことから種類が多くあります。

 花を咲かせて種子を付けるのは当然として、閉鎖花によっても種子を作る事ができます。葉は、根から直接立ち上がり、厚みがあって光沢があります。茎に見えるのは花柄なので、茎はない事になります。花は濃紫色の、まさしくスミレ色。

Japanese common name : Sumire
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Viola mandshurica W. Becker
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変な形のスミレと思っていたら蝶が乗っていました。
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距の部分が墨壺に似ている事が名の由来


スミレ(菫)
スミレ科スミレ属
学名:Viola mandshurica W.Becker
花期:3月~6月 多年草 草丈:5~15cm 花径:10~25mm

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【学名解説】
Viola : 紫色の/スミレ属
mandshurica : mandshuricus(満州産の)
W.Becker : Wilhelm Becker(1874-1928)

撮影地:静岡県静岡市
藁科川(安倍川水系) 2.0km右岸土手 2005.11.24
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

29 November 2005
Last modified: June 21, 2008
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by pianix | 2005-11-29 00:00 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by yamome516 at 2005-11-30 11:41
冬を感じさす毎日ですが?
いいですね!もう、スミレですか?
スミレを春に何枚か撮り、本も見ましたが?
これも、個別が難しいです。
Commented by pianix at 2005-11-30 14:20
yamome516さん、こんにちは。
スミレは難しいですね。
yamome516さんが難しいと言うくらいですから、私にはとうてい手が出ません。
スミレというとスミレ属全体を指すようで、訳が分からなくなります。
しばらく後の冬の間、私は鼻水を垂らしながら、北風吹く河川敷を歩き回る事になります。何も咲いていない事が分かっていてもです。例え見慣れた野草であっても、冬の時期に出会うと、仲間を捜し当てたようで嬉しく喜びます。
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