オオカワヂシャ(大川萵苣)
 オオカワヂシャ(大川萵苣)は、オオバコ科クワガタソウ属の多年草です。ヨーロッパからアジア北部が原産と言われています。1867(慶応3)年に神奈川県相模で定着が確認され、関東以西に分布域を広げ、現在ではかなりの地域に侵入拡大しています。チシャ(萵苣)はレタスの別名で、球状のレタスはタマヂシャ(玉萵苣)と呼ばれます。オオカワヂシャの名は、川辺に生える大きな萵苣、との意味です。名前は似ていますが、チシャはキク科アキノノゲシ属で、オオカワヂシャはオオバコ科クワガタソウ属であり、科属が異なります。

 オオバコ科(Plantaginaceae Juss. (1789))は、約90属1700種があります。ゴマノハグサ科から再編されました。旧ゴマノハグサ科(Scrophulariaceae Juss. (1789))は、熱帯から寒帯に約220属3000種がある双子葉植物・合弁花類です。クワガタソウ属(Veronica L. (1753))は、北半球に約300種が分布します。日本には、約13種があります。

 日当たりの良い水辺や湿地に自生します。横に広げた根茎で栄養繁殖します。草丈は、20~100cm。葉や茎の色は濃い緑色で無毛。葉は対生します。無柄。基部が心臓形で茎を抱きます。長楕円形から披針形で、艶があり、僅かな鋸歯があります。花期は、4月から10月頃。葉腋から穂状花序を出します。花柄を湾曲しながら斜上させ、紫色の筋模様を持った淡紫色の花を多数付けます。花は4深裂して径約5mm。オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)と、そっくりな花です。果実は蒴果です。球形で約2mmの残存花柱があります。種子は、約0.5mmの楕円形。染色体数は、2n=36。

 葉と茎の色が黄緑色である在来種のカワヂシャ(川萵苣)は、今や準絶滅危惧種です。帰化種であるオオカワヂシャが競合し、脅かし、駆逐しているのです。やっかいな事に、オオカワヂシャとカワヂシャの交雑種にホナガカワヂシャ(穂長川萵苣)があり、在来種の生態系を乱す遺伝的攪乱という問題を引き起こしています。

 オオカワヂシャ(大川萵苣)は外来種であり、「外来生物法」で特定外来生物に指定されています。飼育、栽培、保管及び運搬、輸入が原則禁止、野外へ放つ、植える及びまくこと、譲渡し、引渡しなどをすることが禁止され、違反者には懲役あるいは罰金が科せられます

参考:オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)フラサバソウ(フラサバ草)

Japanese common name : Oo-kawa-disya
e0038990_1593625.jpg
Veronica anagallis-aquatica L.

e0038990_1595317.jpge0038990_1510595.jpg


オオカワヂシャ(大川萵苣)
オオバコ科クワガタソウ属
学名:Veronica anagallis-aquatica L.
花期:4月~10月 多年草 草丈:20~100cm 花径:6~7mm

e0038990_21223647.gif


【学名解説】
Veronica : Vettonicaの転訛|聖Veronicaに因む/クワガタソウ属
anagallis-aquatica : anagallis-aquaticus(水中の、ルリハコベ属Anagallisに似た)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川 2005.11.29
安倍川/河口から6.75km 右岸河川敷 2007.04.06
安倍川/河口から10.25km 左岸河川敷 2007.04.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

4 December 2005, 15 December 2014, 24 September 2015
Last modified: 19 November 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2005-12-04 00:00 | 水辺の植物 | Trackback | Comments(2)
トラックバックURL : http://pianix.exblog.jp/tb/2085263
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by brizu at 2005-12-05 21:30
こんばんは
これ生で見たこと無いです。 すごいみたいです。
本当にオオイヌノフグリと似ていますね。
これもオオイヌノ・・のように群落をつくるのでしょうか?
清水まで今度仕事で行くので見に行ってみようかな。。。
Commented by pianix at 2005-12-06 00:12
brizuさん
残念ながら、今は時期ではないので、生育地が限られて、数も多くありません。この撮影地には、ミクリやワスレナグサが咲きます。その季節が一番見られる確立が高いと思います。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< ツワブキ(石蕗) コムラサキ(小紫) >>