オオバヤシャブシ(大葉夜叉五倍子)
 オオバヤシャブシ(大葉夜叉五倍子)は、カバノキ科ハンノキ属の落葉小高木です。温暖な地方(福島県から和歌山県あたり)の海岸沿い山地に自生します。名の由来は、葉が大きいヤシャブシから。ヤシャブシは、果実を夜叉に見立てたもの。夜叉は、古代インド神話に登場する鬼神で、後に仏教の護法善神。日本固有種です。

 カバノキ科(Betulaceae Gray (1822))は、6属約150種が分布します。日本には5属28種があります。ハンノキ属(Alnus P.Miller (1754))は、約30種が分布し、日本には約10種があります。

 ゴバイシ(五倍子)とは、ヌルテノミミブシアブラ虫がヌルデの葉に寄生してできる虫瘤で、タンニンが多く含まれます。これの代用品になる木は、フシ(五倍子)の名が付けられています。キブシ(木五倍子)、ハチジョウキブシ(八丈木五倍子)、ヤシャブシ(夜叉五倍子)等です。オオバヤシャブシは、類似種のヤシャブシと比べて葉が大きいので大葉が冠せられました。オオバヤシャブシは果穂にタンニンが含まれ、黒色染料として利用されます。

 オオバヤシャブシは空気中の窒素を蓄える根瘤を持ち、山崩落地などの痩せ地にも強いため、防砂や緑化用として植林されてきました。地域によっては、大量に植林した結果、花粉病を引き起こす原因樹ともなっています。葉は互生します。長さ6~12cmで、卵形か長卵形。鋭い鋸歯があります。5cm程の懸垂した黄色の雄花序を、上(枝先)に雌花序を付ける雌雄同株、雌雄異花です。松の実に似た堅果を付け、翼がある種子は風で散布されます。染色体数は、2n=112(?)。

 初めてオオバヤシャブシの果穂を見た人は、松でもないのに何故マツポックリが付いているのかと不思議がるかもしれません。染料として使う人は、この果穂がお目当てとなります。

Japanese common name : Ooba-yasyabusi
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Alnus sieboldiana Matsum.


オオバヤシャブシ(大葉夜叉五倍子)
カバノキ科ハンノキ属
学名:Alnus sieboldiana Matsum.
花期:3月~4月 落葉小高木 樹高:5~10m
果期:10月~11月 果穂:20~25mm 種子(堅果)4.5mm

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【学名解説】
Alnus : al(近く)+lan(海岸)/ハンノキ属
sieboldiana : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)+iana/シーボルト氏の
Matsum. : 松村 任三(1856-1928)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9km 右岸河川敷 2005.11.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 14 June 2008
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by pianix | 2005-12-24 00:00 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by brizu at 2005-12-26 10:15
こんにちは 
榎の葉の中心にも、一見、花いかだのような瘤ができますね。
開いてみると、芋虫上のすっごく小さな虫が出てきます。
その正体を追っかけたことはありませんが、
気持ち悪いというより、
不思議で、けっこうしつこく見ていたことがあります。
それにもタンニンはあったのでしょうか。
さて、オオバヤシャブシ これは雰囲気のある木ですよね。
なぜだか小さい頃この実が怖かったことを覚えています。
最初のウルトラマンで、卵から、わりとグロテスクな怪獣が
生まれてきて、それが似ていたからだと思うのですが、
定かではありません。。。^^
Commented by thinking_reeds at 2005-12-27 00:51
こんにちは。
ヤシャブシ。渋い。
以前、ヤシャブシを取ってきて一輪挿しに生けたことがあります。
ある時思いついて、毎5分に1度ずつデジカメでヤシャブシを定点撮影したことがあります。これをレンダリングでムービーにするんです(無ければ、ビデオでもOK)。それを早送りすると果穂も雄花も動いてるの!
あまり動きのなさそうなヤシャブシでしたが、動きの敏感さにビックリしたことがあります。
撮影時には、ガラスコップに水を入れて水面がよく見えるようにしておくことと、適度な光量で撮影すると面白いですよ。フニフニと動くんです。果穂も雄花も。お試しあれ。
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