ケナフ(Kenaf)
 ケナフ(Kenaf)は、アオイ科フヨウ属の1年草です。アフリカ、あるいはインドが原産と言われていますが不明です。アジア、オーストラリア、北アメリカに移入分布します。日本には第二次世界大戦の頃に移入されたと言われています。製紙原料の繊維を取るために栽培されています。また、栽培逸出して野生化する事もありますが帰化状態ではありません。名の由来は、kenab(麻)から。中国名は、ヤンマ(洋麻)。

 アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は、熱帯から冷帯にかけて、250属(AGP)が分布します。クロンキスト体系(Cronquist system)では、約75属、約1500種でした。フヨウ属(Hibiscus L. (1753))は、約250種が分布します。

 栽培種です。播種後は、夏以降に急速に成長します。根はゴボウ状で真下に伸びます。茎は、円柱状で径1~5cm、まばらに棘があり、直立します。草丈は3~4mになります。葉は、互生します。葉柄は6~20cm。掌状深裂します。茎上部になるほど裂片数が増え、3、5、7深裂となり、茎頂付近では槍形となります。掌状裂片は長さ2~12cmの被針形で、鋸歯があります。

 花期は、10月から11月頃。早朝に花を横向きに開きます。一日花です。ごく短い花柄の先に花を単生させます。総苞片(萼状総苞)は7~10個あり、長さ6~8mm。萼は、鐘形で長さ約5cm、萼片は5裂し被針形で、先端は鋭突。花冠は5枚の花被片からなり、薄黄色。中心部は農赤色の楕円形で長さ約6cm。花径は8~15cm。両性花で虫媒花です。雄しべは筒状の単体雄蕊1)で、花糸の長さは1.5~2cm。花柱は5個で、柱頭先端は3裂します。

 果実は蒴果です。径約15mm~20mmで、先端がくちばし状になり棘を密生させます。5室があり、各室に3~5個の種子を含みます。種子は、アサガオの種子に似た茶色の腎臓形で、約5mm。染色体数は、2n=36。

 成長が早く栽培が容易ですが、風、農薬に弱い弱点があります。また、蜜線も多いので虫を呼び寄せやすいようです。葉の表と裏に気孔が多数ある事から、二酸化炭素、二酸化窒素の単位面積当たりの吸収率が高い事が知られています。若葉には、カルシウム、カロチン、鉄分が豊富です。茎から繊維、種子から乾性油が採取されます。繊維は、製紙原料として使われ、麻袋や網、炭等にも利用されます。畑地では連作障害に注意を要します。

※大麻取締法で栽培が規制されているアサ(麻)と間違えられやすい植物です。アサの茎は4稜があり、本種の丸形とは異なります。

1)単体雄蕊(たんたいゆうずい):雄しべが合着して筒状になるもの。monadelphous stamen。

Japanese common name : Kenafu
e0038990_2255141.jpg
Hibiscus cannabinus L.

e0038990_2291950.jpge0038990_2293844.jpg


ケナフ(Kenaf)
アオイ科フヨウ属
学名:Hibiscus cannabinus L.
花期:10月~11月 1年草 草丈:3~5m 花径:8~15cm

e0038990_21323673.gif

【学名解説】
Hibiscus : 由来不明、ゼニアオイ属の古名/フヨウ属(ヒビスクス属)
cannabinus : Cannabis(麻)+anus(ラテン語形容詞化)/麻のような
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.10.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 20 December 2015
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2015-12-22 08:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://pianix.exblog.jp/tb/23921723
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< オトコエシ(男郎花) トロロアオイ(土呂呂葵、黄蜀葵) >>