スイセン(水仙)
 例年だと姿を見せ始めている野生の花達は、ほとんど見つけられずにいます。ちょっとした異変です。河川敷のど真ん中で寒風にさらされ、鼻水をすすりながら歩き回るのは慣れてしまいました。茶色に枯れた草も倒れかかり、鬱蒼としていた姿は見る事ができません。そのお陰で草むらだったところは通る事ができるようになりました。安倍川には、幾つもの小さな川が注いでいます。その一つに降り立つと、一株のスイセン(水仙)が目に飛び込んできました。誰も入り込まないような荒れ果てた場所に、ひっそり咲いている姿を見て、寒さの中に天使を見つけたような気分でした。

☆  ☆  ☆

 スイセンは、ヒガンバナ科スイセン属の多年草です。地中海沿岸やスペイン、ポルトガルが原産地と言われています。属名のNarcissusは、ギリシャ神話の美少年ナルキッソスに因むと言われ、その名前は麻痺させると言う意味です。スイセンには30種類ほどの野生種があり、ニホンズイセンは平安時代に中国経由で渡来したと言われています。

 スイセンの園芸分類は英国王立園芸協会で作成されたものを元にしていますが、登録品種は1万を超えています。分類は、12の部門の数字と花弁の色、副花冠内部底・中央・縁の3部分の色を記号で表し、ハイフンでつなげます。花色はW(白)、Y(黄色)、P(ピンク)、O(オレンジ)、R(赤)、G(緑)です。例えば「8W-OOO」は「房咲きスイセン(8)の花弁が白色(W)、副花冠が橙色(O)」という品種になります。略して8W-Oとも表記されます。

 12の部門の詳細は次の通りです。

部門01|ラッパズイセン:副花冠が花被片と同長かそれよりも長いもの。1茎1花。
部門02|大杯スイセン:副花冠が花被片の1/3を超え花被片よりも短いもの。1茎1花。
部門03|小杯スイセン:副花冠が花被片の1/3を超えないもの。1茎1花。
部門04|八重咲きスイセン:副花冠・雄しべ・雌しべが花弁になり八重咲きになるもの。
部門05|トライアンドラス・スイセン:野生種トリアンドルスの特徴を持つもの。
部門06|シクラミニウス・スイセン:野生種キクラミネウスの特徴を持つもの。
部門07|ジョンクィラ・スイセン:野生種ヨンクィルラの特徴を持つもの。
部門08|房咲きスイセン:野生種タゼッタ(房咲きスイセン)の特徴を持つもの。
部門09|口紅ズイセン:他の種の混じらない口紅ズイセンの園芸種。
部門10|種・野生の変種タイプおよび野生の雑種。
部門11|スプリット・コロナ・スイセン:副花冠が1/3以上裂けるもの。
部門12|前記のどの部門にも属さないもの。

※ニラ(韮)と思い込んだスイセンの誤食事故が多数おきています。生半可な知識で採取するのは危険です。十分にご注意下さい。

参考:早春の野草・その1(スイセン)

Japanese common name : Suisen
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Narcissus tazetta L. var. chinensis M.Roem.
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各部分の名称


スイセン(水仙)
別名:ニホンズイセン(日本水仙)/セッチュウカ(雪中花)
ヒガンバナ科スイセン属
学名:Narcissus tazetta L. var. chinensis M.Roem.
花期:12月~4月 多年草(耐寒性球根) 花径:3~4cm 草丈:30~40cm

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【学名解説】
Narcissus : ギリシャ神話の美少年ナルキッソスに因む/スイセン属
tazetta : 小さいコーヒー茶碗
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)
chinensis : 支那(中国)の
M.Roem. : Max Joseph Roemer (1791-1849)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.01.04

6 January 2006, 11 June 2008
Last modified: 12 March 2016
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by pianix | 2006-01-06 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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