モミジイチゴ(紅葉苺)は、バラ科キイチゴ属の落葉低木です。本州の中部地方以北から北海道に分布する日本固有種です。日本の東西で地域変異があり、西日本に母種のナガバモミジイチゴ(長葉紅葉苺)1)、東日本に変種としてのモミジイチゴが分布します。名の由来は、葉がモミジ2)に似ているキイチゴ(木苺)3)である事から。別名のキイチゴ(黄苺)は、黄色の実を付ける事によります。
バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、南極を除く、ほぼ全ての大陸に約107属3100種が分布します。キイチゴ属(Rubus L. (1753))は、北半球の寒帯から温帯地方に多く、南半球の熱帯山岳地区、北極圏と太平洋の島々にも分布し、400~500種あります。日本には8亜属70種が自生します。 山野の明るい場所に自生します。地下分枝型の地下茎を伸ばし群生します。茎には3mm程の棘があり、分枝して斜上し、高さ100~200cmになります。葉柄は3~8cm。葉は互生します。長さ7~15cm、幅1.5~2.5cmの卵形で重鋸歯があります。普通、掌状に3~5中裂します。裂片は鋭突。葉裏は葉脈が目立ち棘があります。葉の雰囲気はニガイチゴよりも鋭く見えます。 花期は4月頃。葉脈から花柄を出し、白色の5弁花を下向きに付けます。萼片は5個で鋭突。花弁は狭楕円型で、花径は2.5~3cm。雄しべ、雌しべは多数。果実は、核果の集合果です。球形で1~1.5cm。黄色に熟し、生食できます。ジュース、モミジイチゴ酒などに加工して用いられる事もあります。種子は1~2mm。黄色く熟するキイチゴ属には、ナガバモミジイチゴやカジイチゴ(梶苺)があります。 1)Rubus palmatus Thunb. var. palmatus 2)ムクロジ科カエデ属、約128種の総称。 3)バラ科キイチゴ属の総称。 Japanese common name : Momizi-itigo モミジイチゴ(紅葉苺) 別名:キイチゴ(黄苺) バラ科キイチゴ属 学名:Rubus palmatus var. coptophyllus (A.Gray) Kuntze ex Koidz. f. coptophyllus (A.Gray) Kuntze ex Matsum. 花期:4月 落葉低木 樹高:1~2m 花径:2.5~3cm 果期:6~7月 【学名解説】 Rubus : ruber(赤)/キイチゴ属 palmatus : 掌状の Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828) var. : varietas(変種) coptophyllus : 分裂葉の A.Gray : Asa Gray (1810-1888) Kuntze : Carl Ernst Otto Kuntze (1843-1907) ex : ~による Koidz. : 小泉源一 Gen-ichi Koidzumi (1883-1953) f. : forma(品種) Matsum. : 松村任三 Ninzo Matsumura (1856-1928) 撮影地:静岡県静岡市 牛ヶ峰(八十岡ルート) 2008.03.27 牛ヶ峰(水見色ルート) 2008.04.04 牛ヶ峰(谷沢ルート) 2008.04.21 林道慈悲尾線 2011.04.07 花沢山(Alt.449.2m) 2015.05.18 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 31 July 2016 Last modified: 20 November 2016
by pianix
| 2016-07-31 00:00
| 花
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 1月末日現在) 合計677,147人 (前年同月比 -5,763人) 男:329,734人 女:347,413人 世帯数324,434戸 (前年同月比 +1.576戸) 最新のコメント
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