ビワ(枇杷)
 ビワ(枇杷)は、バラ科ビワ属の常緑高木です。中国および日本原産で、中国南部から日本中部以南に分布します。名の由来は、古楽器の琵琶に葉の形状が似る事から。和名は当初、「比波」「比巴」と記されていました。「枇杷」は漢名を流用したものです。英名はLoquat、仏名はNeflier du Japon(=日本カリン/果実はnefle du japon)、独名はJapanische Mispelです。

 日本の野生種であるのか史前帰化植物なのかは、学説が別れています。一般的に、地層中の種子を調べ、それによって後世に渡ってきた外来種であるのかを判別します。どちらにしても、相当古くから存在していたのは間違えありません。現在の果樹としての品種は、江戸時代に中国から渡ってきたものと推測されています。それ以前の品種は果実が小さかったので食用としては不向きだったようです。江戸時代後期からの栽培によって国内での自然分布は、よく分からない状態になっています。

 葉は20cm程の大型で、枝先に互生します。葉柄は短く、長楕円形または倒皮針状長楕円形で、先は尖り、鋸歯がありますす。乾燥葉を生薬「枇杷葉」とし、中国やインドを始め我が国でも民間薬として鎮咳、去痰、健胃整腸、温灸、清涼剤として使われました。葉や種子には有用な含有成分があります。幹は硬く緻密な材質であることから、装飾用材・杖・印材等にも利用されます。

 花期は長く、11月から翌年までの冬期で、この時期に花を付けるものが少ない事から生花に使われる事もあります。バラ科らしからぬ雰囲気を持っています。茎の先端に総状花序を出し、1cm未満の芳香がある白色の花を咲かせます。花被片は5枚で、花柱は2~5個あります。自家結実します。果実は偽果で食用とする部分は花托が発達したものです。河川敷にあるビワは鳥がついばみ、種子を散布します。品種は「茂木(長崎県茂木産地が名の由来)」「田中(田中芳男の品種・晩生種)」が大多数で、他に「丸茂木」「大正枇杷」「楠」などがあります。

Japanese common name : Biwa
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Eriobotrya japonica (Thunb.) Lindl.


ビワ(枇杷)
バラ科ビワ属
学名:Eriobotrya japonica (Thunb.) Lindl.
花期:11月~12月 常緑高木 樹高:4~10m 花径:10mm 果期:5~6月

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【学名解説】
Eriobotrya : erion(軟毛)+botrys(葡萄)/ビワ属
japonica : japonicus/japonicum(日本の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Lindl. : John Lindley (1799-1865)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0.5km 左岸河川敷 2006.01.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: June 10, 2008
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by pianix | 2006-01-15 00:00 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by brizu at 2006-01-17 09:57
こんにちは
びわって強いですね。
種を植えると、必ず芽を出し、その後もよっぽどでないと枯れません。
以前、祖母に、屋敷内(自分の土地)にビワとザクロは植えると
家が滅ぶとかいって、僕が植えていたものを全部抜かれてしまい、
おお泣きしたのを思い出します。
その言われはいまだに良くわかりませんが、
ある意味、思い出深い植物です。
Commented by pianix at 2006-01-18 16:05
brizuさん
ビワに関する迷信は各地に多くあるようですね。その理由は迷信故に雑多です。私が思うに、独占禁止法及び風説の流布に触れています(笑い)。つまり、薬効があり、その特別さを利益にする輩がいて、一般に広まるとまずいので恐ろしさを伴う俗信を流布させた、という説があります。江戸時代後期まで栽培が盛んにならなかったのは、それ以前に、この迷信が蔓延していたからに他ならないと考えています。
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