キンカン(金柑)
 キンカン(金柑)は、ミカン科ミカン属の常緑低木です。中国折江省温州(長江下流域)原産ですが、種小名には日本が原産と誤って付けられています。日本では関東以西の暖地に分布します。分類に関して諸説あり、ミカン属から、1915年にキンカン属に転属され、再度ミカン属に戻されるという混乱が起きています。5種が知られていて、ナガキンカン(長金柑)、マルキンカン(丸金柑)、マメキンカン(豆金柑)、ネイハキンカン(寧波金柑)、フクシュウキンカン(福州金柑)があります。

 名称の「金」は果実の色で、「柑」は蜜柑の古名です。中国名は金橘です。現在の静岡市清水区にある清水港へ入港した中国の商船員が、キンカンの砂糖漬けを持ってきた事がきっかけで種から繁殖させたという話が伝わっています。14世紀の室町時代初期までには渡来していたとも言われています。

 ミカン科(Rutaceae Juss. (1789))は、150属をかかえる大きな科で、約900種が知られています。ミカン属(Citrus L. (1753))は159種があります。日本には明治時代に導入されました。中国名で檸檬。クエン酸(citric acid)は、別名のクエン(枸櫞)が由来。

 葉は互生し、7cm程の長さの長楕円形をしていて、浅い鋸歯があります。やや内側に巻く性質があります。花は白色で、花弁は5枚、雌しべ1本、雄しべ20本があります。子房室は2~8、それぞれに2個の胚珠があります。果実は、2cm程の長楕円形で、当初は緑色ですが、熟すと黄色になります。自家結実します。

 嚢果(のうか)は5~6個。苦味と甘味が中果皮にあり、αGヘスペリジン(糖転移ビタミンP)が含まれています。柑橘類中では、グラム当たりのビタミンCとカルシウム含有率は最大です。ヘスペリジンはビタミンCの吸収を助けます。マルキンカン以外の果肉には強い酸味があります。果実は品種によって生食用、砂糖漬・蜂蜜漬・甘露煮などに加工した菓子に、あるいは金柑酒として利用されます。民間薬として咳止めに使われます。生垣や園芸の鉢植え、盆栽等にも利用されます。実生で繁殖させます。

Japanese common name : Kinkan
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Citrus japonica Thunb.


キンカン(金柑)
別名:マルミキンカン(丸実金柑)/マルキンカン(丸金柑)/ヒメタチバナ(姫橘)
ミカン科ミカン属
学名:Citrus japonica Thunb.
synonym : Fortunella japonica (Thunb.) Swingle var. margarita (Lour.) Makino
花期:5月~6月(不定期) 常緑低木 樹高:2~3m 果期:10~12月 実径:2cm

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【学名解説】
Citrus : Kitrom(箱)/ミカン属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
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Fortunella : Robert Fortune (1812-1880)に因む/キンカン属
Swingle : Walter Tennyson Swingle (1871-1952)
var. : varietas(変種)
margarita : margaritae(真珠の)
Lour. : Joao de Loureiro (1717-1791)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)

撮影地:静岡県静岡市
葵区賎機(植栽) 2006.01.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

18 January 2006
Last modified: 16 March 2015
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by pianix | 2006-01-18 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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