タバコ(煙草)
 タバコ(煙草)は、ナス科タバコ属の多年草です。南熱帯アメリカが原産で、日本では1年草として扱われます。名の由来は、ポルトガルから日本へ渡来した時のtabacoから。煙草は中国名で、当字。英名は、Tobacco。

 ナス科(Solanaceae Juss. (1789))は、世界に90属、約2300種が分布します。タバコ属(Nicotiana L. (1753))は、世界に66種類(野生種64種・栽培種2種)が分布しています。内訳は、南北アメリカ大陸45種、オセアニア20種、アフリカ(ナミビア)1種です。フランスの駐ポルトガル大使ジャン・ニコ(Jean Nicot (1530-1600))がフランスに持ち帰った事に因み、属名Nicotianaが付けられました。

 タバコの有効成分ニコチン(Nicotine)の名もこれに由来します。ニコチンはC10H14N2の構造式を持ち、幼児の致死量は15mg、大人の経口致死量は50~60mgとされています。殺虫剤として使用されることから毒物である事が分かります。当初は医薬品として利用されました。日本には1586年(天正14年)以後に入ったと言われています。栽培は1605年(慶長10年)に長崎で始まりました。

 花期は、7月から8月頃。花は、茎の先端部分に群生します。ピンク色の漏斗形をしている管状合弁花で、先端が星形に5裂します。萼片も5裂します。雄しべ5本、雌しべ1本があります。通常、花が出るとすぐに摘花されます。花への栄養を葉に回すためです。

 葉は、先端の鋭い大きな卵形で互生します。下から「下葉・中葉・合葉・本葉・上葉」と呼ばれ、各数枚ずつ計約20枚が付きます。ニコチン含有量は下部が少なく上に行くほど増えます。表面には毛茸(もうじ)と呼ばれる産毛が生えています。長さ約70cm、幅約30cmの大きさまで成長します。

 種子は、約0.7mm×0.5mmの回転楕円体で、重量50μg(マイクログラム)程です。1gの20万分の1と言う微細さです。種子対植物体重量の比は1,500万倍に達します。染色体数は、2n=48。

 紙巻き煙草の原料とされるのは、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum L.)=写真=と、ニコチアナ・ルスチカ(Nicotiana rustica L.)の栽培種2種類のみです。ニコチアナ・タバカムには、バーレー種・黄色種・在来種の各品種があります。タバコの専売制度が廃止(1985年)された以後、タバコ属の園芸種(alata種)が解禁となり市場に出回るようになりました。

Japanese common name : Tabako
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Nicotiana tabacum L.

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管状合弁花で、先端が星形に5裂する <2006.12.21> 萼裂片は5個

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雄しべ5,雌しべ1 <2005.12.21> 葉は卵形で互生し、約20枚がつく


タバコ(煙草)
ナス科タバコ属
学名:Nicotiana tabacum L.
花期:7月~8月 多年草(日本では1年草) 草丈:120cm

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【学名解説】
Nicotiana : Jean Nicot (1530-1600)フランスの外交官に因む/タバコ属
tabacum : tabaca(タバコ)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2005.12.02, 2005.12.21, 2006.12.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 22 January 2006
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by pianix | 2006-01-22 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
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