ニホンミツバチ(日本蜜蜂)
 ニホンミツバチ(日本蜜蜂)は、ミツバチ科ミツバチ属の昆虫です。名前から分かるとおり日本の在来種で、日本全国に分布します。ミツバチは、ミツバチ科(Apidae Latreille, 1802)ミツバチ属(Apis Linnaeus, 1758)の総称で、高度な社会性を持つ昆虫の1種です。ミツバチ属は世界に9種、日本には2種2亜種が生息しています。ニホンミツバチは、トウヨウミツバチ(東洋蜜蜂)の亜種です。系統遺伝学的関係では韓国のトウヨウミツバチと同じグループで、ニホンミツバチに遺伝的多型がほとんどなかった事が報告1)されています。

 現在、日本で養蜂に使用されているのは2種類で、ニホンミツバチとセイヨウミツバチです。特定植物の受粉用にはマルハナバチ(丸花蜂/マルハナバチ属)が使用されます。ニホンミツバチが群れで蜜を採取する年間量は2~3kgで、対してセイヨウミツバチは10~15kgです。繁殖力の強さもあって、1877年に導入された以後は急速にセイヨウミツバチによる養蜂に切り替わっていきました。ニホンミツバチの欠点は、蜜の採取量の他に、ストレスを受けると巣を放棄する性質がある事です。養蜂家にとっては取り扱いにくいところです。ニホンミツバチの群れは約1万匹で、セイヨウミツバチは約2万匹と言われています。巣は、木や地中に作ります。Karl Ritter von Frisch(1886-1982)によって、蜜の在りかを仲間に知らせるダンスが確認されました。

 ニホンミツバチは、東南アジアに分布するオオスズメバチ(大雀蜂)に巣を攻撃されます。その対抗手段として200匹ほどの集団でオオスズメバチを包み込み、熱を発して蒸し殺す事があります。温度耐性は、ニホンミツバチが48度なのに対しオオスズメバチは46度です。セイヨウミツバチは、分布していた地域にオオスズメバチがいなかったため対抗手段を取得できず、野生化できない原因となっています。

 ニホンミツバチの体色は暗茶褐色で、セイヨウミツバチより黒く見えます。腹部に縞模様がありますが、セイヨウミツバチのようにオレンジ色ではありません。働き蜂の体色変化は季節により二型あり、34℃以上で黄色、それ以下では黒色となります2) 。よって、8月から10月にかけては黄色型が多くなります。女王蜂は、初春から晩秋まで産卵を続けます。最多期は2千個/日になります。寿命は通常3年程です。働き蜂は分業し、秋に生まれた種は寿命200日程、繁忙期では35日程と言われています。働き蜂のほとんどは雌です。群れの1割ほどを占める雄蜂の寿命は90日程で、秋には働き蜂に駆逐されます。染色体数は、雌蜂が2n=32、雄蜂がn=16。


 蜂蜜の古い記述として、『それゆえ、わたしは降(くだ)って行き、エジプト人の手から彼らを救い出し、この国から、広々としたすばらしい土地、乳と蜜の流れる土地、カナン人、ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の住む所へ彼らを導き上る。』(出エジプト記3章8節・新共同訳)があります。当時、蜜は生活に潤いをもたらす貴重な食物であった事が知られます。

1) Deowanish, S.,J. Nakamura, M. Matsuka and K. Kimura 1996.
mtDNA variation among subspecies of Apis cerana using restriction fragment polymorphism. Apidologie 27:407-413
2)ニホンミツバチの飼育法と生態・吉田忠晴 玉川大学出版部(ISBN4-472-40081-2)

参考:フタモンアシナガバチ(二紋足長蜂)キアシナガバチ(黄足長蜂)キイロスズメバチ(黄色雀蜂)

Japanese common name : Nihon-mitubati
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Apis cerana japonica Radoszkowski, 1887
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吸蜜している花はツワブキ(石蕗)


ニホンミツバチ(日本蜜蜂)
ハチ目(膜翅目)ミツバチ科ミツバチ属
学名:Apis cerana japonica Radoszkowski, 1887

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体長:(働きバチ)13mm前後
出現期:3月~11月
分布:北海道・本州・四国・九州

撮影地:静岡県静岡市
静岡市駿河区谷田 2005.12.01
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

26 January 2006
Last modified: 5 March 2016
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by pianix | 2006-01-26 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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