ショウジョウカ(猩猩花)は、アオイ科ショウジョウカ属の常緑低木です。ブラジル原産の栽培種です。多くの品種があり、世界の広くで栽培されています。名の由来は、花を中国の伝説上の動物である猩々の赤ら顔に例えたもの。中国名は金铃花(jīn líng huā)で、日本にはオミナエシ科オミナエシ属に同名のキンレイカ(金鈴花)があります。
アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は、約240属3700種。旧分類では約75属1500種が分布します。ショウジョウカ属(Callianthe Donnell (2012))は、中南米に約50種が分布します。イチビ属(Abutilon Mill. (1754))は、アジアからヨーロッパにかけての温帯から熱帯に約100種があります。日本には3属があり、2種が自生します。 水はけの良い明るいところを好みます。幹は灰褐色で、横長の疣状突起があり、高さ2~3mになります。葉は互生します。葉柄は3~5cm。掌状形に3~5中裂し、長さ5~15cm。葉に黄班が入るものがあります。 花期は6月から11月。温暖な地域では四季咲きとなります。越冬気温は3~5℃。葉腋から長い花柄を出し、橙色の花をつけます。萼は筒状で緑色、星状毛があり、先が5裂します。5枚の花弁は交互に重なり合い、暗赤色で血管のような脈状模様が入ります。花冠は鐘状形で径2~4cm。花弁長は、4~5cm。下向きに咲き、雄しべと雌しべが花冠から突き出ます。雄しべは合着して筒状となり、葯色は黄色。その先端に5本の雌しべ花柱が伸び、柱頭は赤色。花柱最下部に白毛に覆われた子房があります。花後は花冠ごと落下します。果実は、蒴果です。種子は長さ約5mm。染色体数は、2n=16。 里山を歩くと家庭菜園としての農耕地が点在しているのが目に付きます。野菜を作られている方が多いのですが、傍らにきれいな花が咲いている時があります。そのような場合は、必ずと言って良いほど女性の方が作業をされています。作業する農地に彩りを与えるための、女性の細やかな心遣いなのでしょう。掲載した木が植えられている山の農地は、男性の姿しか見たことがありません。草花と異なり、樹木は男性の趣味かもしれません。はたして女性が植えた物なのかどうか、興味があります。 参考:似た名前に、ショウジョウバカマ(猩々袴)があります。 Japanese common name : Syouzyou-ka ショウジョウカ(猩猩花) 旧別名:アブチロン・ストリアツム アオイ科ショウジョウカ属 学名:Callianthe picta (Gillies ex Hook. et Arn.) Donnell synonym:Abutilon pictum (Gillies ex Hook.) Walp. synonym : Abutilon striatum Dicks. ex Lindl. 花期:6月~11月 常緑低木 樹高:2~3m 花冠径:約4cm 【学名解説】 Callianthe : callos(美)+anthemon(花)/ショウジョウカ属 picta : pictus(有色の) Gillies : John Gillies (1792-1834) ex : ~による Hook. : William Jackson Hooker (1785-1865) et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ) Arn. : George Arnott Walker Arnott (1799-1868) Donnell : Aliya A. Donnell (fl. 2012-) --- synonym : (シノニム)同物異名 Abutilon : a(否定)+ bous(牡牛)+tilos(下痢)/イチビ属 pictum : pictus(有色の) Walp. : Wilhelm Gerhard Walpers (1816-1853) --- striatum : striatus(線条のある、線溝のある) Dicks. : James (Jacobus) J. Dickson (1738-1822) Lindl. : John Lindley (1799-1865) 撮影地:静岡県静岡市 賤機山(昭府町) 2017.11.23, 2017.12.06, 2017.12.28, 2018.01.15, 2018.02.05 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 12 December 2017, 31 December 2017, 11 February 2018 Last modified: 13 March 2023
by pianix
| 2017-12-12 00:00
| 花
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 1月末日現在) 合計677,147人 (前年同月比 -5,763人) 男:329,734人 女:347,413人 世帯数324,434戸 (前年同月比 +1.576戸) 最新のコメント
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