トウネズミモチ(唐鼠黐)
 トウネズミモチ(唐鼠黐)は、モクセイ科イボタノキ属の常緑小高木です。中国が原産地です。明治初年に日本に移入され、1960年代から植栽が盛んに行われるようになりました。生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。名の由来は、在来種のネズミモチ(鼠黐)からで、果実がネズミの糞のように見え、モチノキ科モチノキ属のモチノキ(黐の木)に似ている事から。そのネズミモチの類似種であり、中国渡来の意味で唐を冠したものです。

 モクセイ科(Oleaceae Hoffmannsegg & Link, 1813-1820)は、北半球と南半球の温帯から熱帯にかけて27属約600種が知られていて、日本には、イボタノキ属、トネリコ属、ハシドイ属、モクセイ属、ヒトツバタゴ属、レンギョウ属の6属があります。イボタノキ属(Ligustrum C. Linnaeus, 1753)はヨーロッパ、北アフリカ、アジア、オーストラリアに約50種があり、日本には約10種が自生します。

 葉は、5~12cm程の大きさで、対生します。先端が尖った全縁(葉の縁が滑らか)の卵形で、艶があり柔らかです。ネズミモチと類似しますが大きめで、葉脈(主脈・側脈)が透けて見える事で識別することが出来ます。6月から7月頃に、円錐花序に白い5mm程の小さな花をつけます。花弁は4枚、雄しべは2本あります。虫媒の両性花で、染色体数2n=46です。花期はネズミモチより一月ほど遅れます。実は楕円形で、熟すと黒紫色となり、非常に多くを房状につけます。ネズミモチよりも大型です。液果(果皮が肉質で液汁の多い果実)であり、1)鳥(ヒヨドリ、シジュウカラ、メジロ、キジバト、ムクドリ、コムクドリ)によって運ばれ散布されます。

 成熟した果実を乾燥したものを、漢方薬の女貞子(ジョテイシ)として利用します。薬理作用は、強壮・強心・利尿・鎮咳・免疫増強・抗菌です。オレアノール酸、ベツリン、ルペオール、マンニトール、オレイン酸、リノレン醸、パルミチン酸等を含む苦味のある生薬です。中心性網膜炎、老人性白内障の眼科薬としても使用されます。葉を乾燥させた女貞葉は、消炎・鎮痛薬として使われます。

 公園樹や路側帯樹、生け垣などに利用されます。性質が強く繁殖も容易であることから、野生化して勢力を拡大しています。在来種ネズミモチの遺伝的攪乱も危惧1)されています。安倍川河川敷にも野生化したものが見られます。平成17年(2005年)に外来生物法で要注意外来生物に指定されました。現在は、生態系被害防止外来種とされています。

 1) 吉永智恵美・亀山章(2001)都市におけるトウネズミモチ(Ligustrum lucidum Ait.)の分布拡大の実態。日本緑化工学会誌27(1):44-49。

Japanese common name : Tou-nezumimoti
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Ligustrum lucidum Aiton


トウネズミモチ(唐鼠黐)
モクセイ科イボタノキ属
学名:Ligustrum lucidum Aiton
花期:6月~7月 常緑小高木 樹高:10~15m 花序長:10cm 果期:10~12月 実径:8~9mm

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【学名解説】
Ligustrum : ligare(縛る)/イボタノキ属
lucidum : lucidus(強い光沢のある・輝く)
Aiton : William Aiton (1731-1793)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から7.0km 左岸河川敷 2006.01.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 02 February 2006
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by pianix | 2006-02-02 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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