ミドリハコベ(緑繁縷)
 ハコベ(繁縷)は、ナデシコ科ハコベ属の越年草です。ユーラシア大陸の広い地域を原産地とし、日本では全国に分布する、史前帰化植物です。古名はハクベラ(波久倍良)で、やがてハコベラ(繁縷)となり、現在のハコベ(繁縷)に転訛されたと言われています。英名はChickweedで、鶏の雑草との意味です。

 ナデシコ科(Caryophyllaceae Juss. (1789))は、熱帯から寒帯まで約75属2000種が分布し、ハコベ属(Stellaria L. (1753))は約100種があります。

 一般的にハコベは、ミドリハコベ(緑繁縷)とコハコベ(小繁縷)を指し、春の七草1)とされています。コハコベは大正時代に渡来したものと言う説もあり、ミドリハコベとの交雑種も出始めています。ありふれたものほど判別が難しく、頭を悩ます事になります。

 茎には、片側一列に列毛と呼ばれる微細な柔らかい毛が生えています。地を這い、途中で茎を持ち上げます。ミドリハコベは茎色が緑色です。コハコベと、類似種のウシハコベ(ウシハコベ属)は赤紫色を帯びます。葉は深緑色で、全縁の卵形です。先端は尖り、対生します。

 花弁は5枚です。10枚に見えるのは深く2つに裂けているためです。萼片も5枚です。よく間違えるのがオランダミミナグサ(阿蘭陀耳菜草)で、こちらは花弁の裂け方が浅く、先端だけ2裂します。花の中央の盛り上がった子房から噴水状に出ている花柱は、ミドリハコベ、コハコベとも3本です。ウシハコベは5本あります。雄しべに違いが見られ、コハコベは1~7本、ミドリハコベは4~10本、ウシハコベは10本です。

 コハコベの花弁は萼片と、ほぼ同じ長さで、ミドリハコベは、少し短くなります。また、雄しべ先端に付く葯が赤みを帯びている事がありますが、これは花粉を出していない状態で、花粉を出すと黄色みを帯びます。果実は卵形の、さく果(熟すると下部から裂けて種子が散布される果実)で、6裂して、自発的散布を行います。種子には尖った突起があります。やや酸性の土壌を好みます。染色体数は、2n=56。

 1)春の七草:セリ(芹)、ナズナ(薺)、オギョウ(御形)=ハハコグサ(母子草)、ハクベラ(波久倍良)=ハコベ(繁縷)、ホトケノザ(仏座)=タビラコ(田平子)、スズナ(菘)=カブ(蕪)、スズシロ(蘿蔔)=ダイコン(大根) 「河海抄」

参考:ウシハコベ(牛繁縷)コハコベ(小繁縷) 早春の野草・その7

Japanese common name : Midori-hakobe
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Stellaria neglecta Weihe
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茎に付く列毛は通常片側だけですが、この個体ではミヤマハコベ (深山繁縷)のように両側に付いていました。


ミドリハコベ(緑繁縷)
ナデシコ科ハコベ属
学名:Stellaria neglecta Weihe
花期:3月~9月 越年草 草丈:10~30cm 花径:6~7mm

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【学名解説】
Stellaria : stella(星)/ハコベ属
neglecta : neglectus(顕著でない・見逃しやすい・つまらぬ)
Weihe : Carl Ernst August Weihe (1779-1834)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.25km 右岸河川敷 2006.02.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

03 February 2006
Last modified: 19 March 2014
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by pianix | 2006-02-03 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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