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ハナニラ(花韮)
 ハナニラ(花韮)は、ヒガンバナ科ハナニラ属の多年草です。南米アルゼンチン、ペルー、ウルグアイ原産で、平地に自生します。日本へは明治中頃に園芸用途で移入されたと言われています。逸出し、北海道から九州にかけて野生化しています。名の由来は、葉を揉むとニラのような臭いがする事から。英名は、spring star flowerで、春の星形をした花として、ふさわしい名前になっています。

 ヒガンバナ科(Amaryllidaceae J.St.-Hil. (1805))は、世界の熱帯から温帯にかけて約59属860種が分布します。クロンキスト体系ではユリ科(Liliaceae Juss. (1789))に分類され、世界の熱帯と温帯に約280属4000種が分布します。ハナニラ属(Ipheion Raf. (1837))は、南アメリカに約20種が分布します。

 この花の属名は多くの変遷を経ています。BrodiaeaTriteleiaMillaLeucocoryne等です。APG体系ではIpheion(イフェイオン)1)。主な品種に濃青色で花径5cm程の、ウィズレー・ブルー'Wisley Blue'があります。

 球根は1~2cm程の卵球形です。葉は広線形の肉質で、長さ15~30cm。ニラのように細く、地面を這い直立しません。葉や鱗茎はニラ臭がします。花期は、3月~4月。鱗茎から10~20cmの細い花茎を立て、花茎1本に1花(単頂花序)をつけます。花径は約3cm。基部は筒状で、先端が6裂して星形に平開します。花被片は。白色あるいは淡青色の披針形。雄しべは、長短3本ずつの計6個。分球によって繁殖します。果実は、蒴果です。染色体数は、2n=12。

脚注:
1)学名はラテン語表記なのですが、英語だと勘違いされているかたが多くいます。それでアイフェイオンとの読みもでてきます。Triteleiaもトリテリアとされますが、ラテン語ではトリテレイアです。園芸用途では読みが混乱している場合が多く、ラテン語読みをすると間違えだと強く指摘される方がいますので、念のため書き記しておきます。

参考:
ハタケニラ(畑韮) タマスダレ(玉簾)

Japanese common name : Hana-nira
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Ipheion uniflorum (Graham) Raf.

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雄しべは、長短3本ずつの計6個(短1本は分解時に脱落)


ハナニラ(花韮)
別名:セイヨウアマナ(西洋甘菜)
ヒガンバナ科ハナニラ属
学名:Ipheion uniflorum (Graham) Raf.
花期:3月~4月 多年草(球根) 草丈:10~20cm 花径:3~4cm

ハナニラ(花韮)_e0038990_12135938.gif


【学名解説】
Ipheion : 詳細不明 [Asphodelus(ツルボラン属)]/ハナニラ属
uniflorum : uni(一つの)+floris(花)=uniflorus(単花の)
Graham : Robert Graham (1786-1845)
Raf. : Constantine Samuel Rafinesque (1783-1840)
---
J.St.-Hil. : Jean Henri Jaume Saint-Hilaire (1772-1845)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9km 左岸土手 2006.03.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

2 March 2006, 7 September 2016
Last modified: 28 April 2019
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by pianix | 2006-03-02 00:00 | | Comments(4)
Commented by buona-fortuna_ma at 2006-03-05 13:20
ハナニラってきれいですね うちもハナニラの球根が植わってるんですが、毎年葉しかでないので花を見たことありません
Commented by pianix at 2006-03-05 23:21
buona-fortuna_maさん

葉しか出てこないハナニラだと、ハニラですね。
多分、buona-fortuna_maさんが綺麗に咲いているので
ひがんでいるのではないでしょうか。
Commented by brizu at 2006-03-06 12:51
この花は、こちら横浜でも自生しています。
今年はまだ見かけませんが、
そのうち一斉に出てくるでしょう。
不思議な感じがすると思っていたのですが
これもまた外来種だったのですね。
白がまぶしい花です。
Commented by pianix at 2006-03-06 17:16
brizuさん

そちらのハナニラは白色種ですか。
性質が強いので、どこにでも出てきますね。
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