カラスノエンドウ(烏野豌豆)
 カラスノエンドウ(烏野豌豆)は、マメ科ソラマメ属の越年草です。標準和名は、ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)。アジア、ヨーロッパの温帯地域に分布し、日本では本州以西に分布する史前帰化植物です。名の由来は、野のエンドウ(豌豆)に、熟すと黒くなる豆果をカラスに見立てたものです。これより小さなものに、スズメノエンドウ(雀野豌豆)があり、その中間にカスマグサ(カス間草)があります。ヨーロッパ原産の外来種であるオオカラスノエンドウ(大烏野豌豆)1)もあります。ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)は、葉が矢筈(矢羽)形をしている事から。同じマメ科にヤハズソウ(矢筈草)2)があります。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があり、ソラマメ属(Vicia L. (1753))は、2亜属22節、約140種があります。

 葉は偶数羽状複葉で、互生し、小葉は狭倒卵形です。茎は四角柱状で細かな毛が生えています。複葉の先に巻きひげがあり、絡み合って立ち上がります。この巻きひげは、小葉が変化したもので、通常は3分岐します。托葉に黒色をした花外蜜腺があり、ここから分泌される蜜に虫が集まってきます。

 花期は3月から6月頃。葉腋に短い柄を出し、紅紫色で蝶形の花を1~2個付けます。花弁数は5枚。果実は豆果で、3~4cmの長さ。中に種子が5~10個入っています。熟すると鞘が黒色化して二つに裂け、はじき飛ばします。染色体数は、2n=12,(10,14)。

 根には、マメ科の特徴である根粒があります。根粒は、根粒菌(Rhizobium leg. bv viciae)によって作られる瘤状のものです。カラスノエンドウは光合成産物を提供し、根粒菌はアンモニア(NH3)を提供する共生関係にあります。

1) オオヤハズソウ(大矢筈草) Vicia sativa L. subsp. sativa
2) ヤハズソウ(矢筈草) Kummerowia striata (Thunb.) Schindl.

Japanese common name : Yahazu-endou
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Vicia sativa L. subsp. nigra (L.) Ehrh.
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蝶形の花で花弁数は5枚(2007.03.06)
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托葉の花外蜜腺から分泌される蜜

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左:葉は偶数羽状複葉 右:小葉は矢筈形。茎先端は3分岐した巻きひげとなる

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左:若い豆果(2006.05.10) 右:黒化した豆果(2007.11.12)
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シロバナヤハズエンドウ(白花矢筈豌豆)
Vicia angustifolia L. var. segetalis (Thuill.) Koch f. albiflora Honda ※異分類


カラスノエンドウ(烏野豌豆)
標準和名:ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)
マメ科ソラマメ属
学名:Vicia sativa L. subsp. nigra (L.) Ehrh.
synonym : Vicia angustifolia L. var. segetalis (Thuill.) W.D.J.Koch
花期:3月~6月 越年草 草丈:70~150cm 花径:10~15mm 果期:5~7月

【学名解説】
Vicia : vincire(巻き付く)/ソラマメ属
sativa : sativus(栽培された)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
subsp. : subspecies(亜種)
nigra : 黒い
Ehrh. : Jakob Friedrich Ehrhart (1742-1795)
---
synonym : (シノニム) 同物異名
angustifolia : angustifolius(細葉の)
var. : varietas(変種)
segetalis : 穀作地生の
Thuill. : Jean Louis Thuillier(1757-1822)
W.D.J.Koch : Wilhelm Daniel Joseph Koch (1771-1849)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6km 右岸河川敷 2007.03.06, 2007.11.12
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2016.04.19
賤機山 2016.04.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

09 March 2006, 09 April 2011, 30 May 2014, 11 December 2014, 19 April 2016
Last modified: 30 April 2016
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by pianix | 2006-03-09 00:00 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by brizu at 2006-03-14 09:50
路傍でこの花や群落を見ると
なんだかほっとします。
というより、どうしても見てしまうんです。
Commented by pianix at 2006-03-14 12:55
brizuさん

カラスノエンドウが土手に咲き始めると、
カスマグサ、スズメノエンドウを探してしまいます。
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