ヤマトシジミ(大和小灰蝶)
 ヤマトシジミについて話をしていると噛み合わなくなる事があります。貝と蝶で同じ和名の生物がいるからです。異物同名(homonym)は幾つもあり、お互いに失笑する事になります。貝のヤマトシジミはCorbicula japonica Prime, 1864ですが、ここでは蝶のヤマトシジミについて書いています。しかし、本家は貝の方で、翅裏がシジミ貝の内側に似ている事からシジミチョウの名が付けられています。ヤマトは「大和」で、日本の事です。

 ヤマトシジミ(大和小灰蝶)は、シジミチョウ科ヒメシジミ亜科ヤマトシジミ属の昆虫です。日本本州北部から沖縄までに分布する小型の蝶です。低地性の蝶で、極普通に見られます。北朝鮮南部が北限のようです。シジミチョウ科(Lycaenidae)は、9亜科に分類されます。日本に生息するものは、ウラギンシジミ亜科・カニアシシジミ亜科・ベニシジミ亜科・ヒメシジミ亜科・ミドリシジミ亜科の5亜科があります。ヤマトシジミはハマヤマトシジミ属(Zizeeria)でしたが、ヤマトシジミ属(Pseudozizeeria)に転属されました。「偽の」という意味のPseudoが付き、偽のハマヤマトシジミ属と怪しい名前になっています。

 翅の表面は雄と雌で異なります。雄は淡青白色で、雌は暗褐色をしています。裏面は褐色を帯びた灰白色地で、黒の斑紋があります。夏に出現するものは小型です。幼虫で越冬します。卵は扁平で細かな網目があります。幼虫は草鞋(わらじ)型で、終令幼虫は緑色で12mm内外です。蛹は、シジミチョウ共通のだるま型で、黄緑色あるいは淡褐色です。

 食草のカタバミは、どこにでも生える強い野草なので、生育に困る事はなさそうです。他の蝶には、河川が整備される事によって食草を失い絶滅へと向かうものもあります。類似種にゴマシジミ(胡麻小灰蝶)aculinea teleius (Bergstrasser, 1779)、誤認しやすいルリシジミ(瑠璃小灰蝶)Celastrina argiolus ladonides (de l'Orza, 1869)がいます。

Japanese common name : Yamato-sizimi
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Pseudozizeeria maha argia (Menetries, 1857)
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交尾


ヤマトシジミ(大和小灰蝶)
チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ヒメシジミ亜科ヤマトシジミ属
学名:Pseudozizeeria maha argia (Menetries, 1857)

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体長:(前翅長)9~16mm/(開張)20~28mm
出現期:3月~11月年(年5~6回)
分布:本州・四国・九州・沖縄
食草:(幼虫)カタバミ科(カタバミ)

撮影地:静岡県静岡市
葵区西ヶ谷 2006.03.13
賤機山 2009.07.22

Last modified: 31 September 2009
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by pianix | 2006-03-18 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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