クサノオウ(草の黄/瘡の王)
 クサノオウ(草の黄/瘡の王)は、ケシ科クサノオウ属の1年草です。東アジアの温帯に分布し、日本では全国に分布します。名の由来は、幾つかあります。皮膚病である瘡の治療に効果があるので「瘡の王」とするもの、橙黄色の汁液を出すので「草の黄」等です。

 ケシ科(Papaveraceae Adans. 1763)は、北半球の亜熱帯から温帯にかけて23属、約210種が分布します。クサノオウ属 (Chelidonium L. (1753))は、ヨーロッパから東アジアにかけて数種分布します。日本ではクサノオウとヤマブキソウ(Chelidonium japonicum Thunb.)の2種が自生します。

 根生葉は叢生(そうせい※群がり生えること)します。茎は中空。葉と茎には縮れた毛が多くあります。葉は、互生し、1~2回羽状に深く裂け、葉裏はやや白っぽくなります。萼片が2個あり、開花直前に脱落します。葉腋に花柄を出し数花を付けます。花は黄色の4弁花で、径2~3cm程です。黄色の雄しべが多数あり、突き出た緑色の雌しべが目立ちます。

 傷を付けると橙黄色の乳液を出します。これにはアルカロイド(alkaloid)の毒が含まれています。食べると、酩酊状態・嘔吐・昏睡・呼吸麻痺を引き起こします。昔は疥癬の民間薬として使われていました。全草を乾燥させたものが生薬の白屈菜。毒草は薬草でもありますが、素人判断の処方は禁物です。

 果実は5cm程の細長い楕円形の朔果です。種子は黒色で、白い冠毛が付いています。脂肪体(種子の外側に付いた脂肪)があり、蟻が運び散布します。染色体数は、2n=10。

Japanese common name : Kusa-no-ou
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Chelidonium majus L. subsp. asiaticum H.Hara
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縮れた毛が密生する茎から出る橙黄色の汁液


クサノオウ(草の黄/瘡の王)
ケシ科クサノオウ属
学名:Chelidonium majus L. subsp. asiaticum H.Hara
synonym : Chelidonium majus L. var. asiaticum (Hara) Ohwi ex W.T.Lee
花期:5月~7月 1年草 草丈:30~80cm 花径:2~3cm

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【学名解説】
Chelidonium : chelidon(ツバメ)に由来/クサノオウ属
majus : major(巨大な)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
subsp. : subspecies(亜種)
asiaticum : asiaticus(アジアの)
H. Hara : 原 寛 Hara Hiroshi (1911-1986)
---
var. : varietas(変種)
Ohwi : 大井次三郎 Ohwi Jisaburo (1905-1977)
ex : ~による
W.T. Lee : W.T.Lee (col. 1924-)

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷 2006.03.31
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

4 April 2006
Last modified: 31 May 2014
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by pianix | 2006-04-04 00:00 | | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from 花言葉事典 at 2006-04-19 14:01
タイトル : 花言葉事典:第214号「ヤマブキソウ」
美しき花と花ことばの世界へ、ようこそ!... more
Commented by brizu at 2006-04-06 11:05
本当に傷とかに効きそうですね。
名前は知りませんでした。
たしかにヤマブキの花にも似ているかも。
今度探してみます。
Commented by pianix at 2006-04-13 18:35
brizuさん

忘れた頃に書いていますがご勘弁下さい。
それにしてもbrizuさんは、野草に目がないですね。
凄いなと舌を巻いています。あっ、ほどけなくなった……
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