オランダカイウ(阿蘭陀海芋)
 護岸整備された小川に、オランダカイウが咲いていました。全てがコンクリートで固められているのではなく、幾つかの穴が開けられたデザインになっています。その穴から花を出し水辺に映し出しています。多分植栽されたものだと思いますが、護岸の機能だけを優先させた殺風景なものより遙かに優れた方法だと思います。また、周囲の長閑な雰囲気にも解け合っていました。アヒルが住み着いていて、撮影している私を怖がって大きな声を出して逃げ回るので、それは少し困りました。

 オランダカイウ(阿蘭陀海芋)は、サトイモ科オランダカイウ属の多年草です。聞いてもピンと来ない方もあるかもしれません。カラー(Calla)のほうが通りが良いかもしれません。本種の旧属名で、Callaはcalos(美)が語源と言われています。南アフリカが原産の帰化植物で、江戸時代末期に渡来したと言われています。名の由来は、オランダと付くのはオランダ商船が持ち込んだ為とか、単に海外からのという程の意味合いで、原産地を表すものではありません。海芋は外国産(海外)の芋の意味です。外国産ミズバショウ(水芭蕉)と考えたのかもしれません。英名は、Calla Lily。

 サトイモ科は105属2500種以上が熱帯を中心に分布し、オランダカイウ属は南アメリカに8種が分布します。日本では本州以西に分布し野生もしています。仏炎苞(ぶつえんほう)に囲まれる肉穂花序(にくすいかじょ)を持つのが特徴です。園芸品種として品種改良が続けられています。

 カイウは、湿地性種と畑地性種の2系統があり、湿地性の仏炎包は白色、畑地性は黄色や桃色をしています。オランダカイウは湿地性です。長い葉柄(ようへい)に大きな鏃形で肉厚の葉を付けます。肥大した地下茎を持ち、花茎(かけい)の先に白色の仏焔苞を付けます。仏焔苞とはラッパ状の総苞の事で、仏焔は仏像の後背にある炎を指します。今風に言うとクレープ状でしょうか。これが花弁のように見えます。中心の花を守る役割があるとされています。中心に肉穂花序を付けます。肉穂花序とは、軸の周囲に花が密集して付く形態を言います。上部が雄花、下部が雌花と分かれています。葉や茎に蓚酸カルシウム1)(CaC2O4)が含まれ、食べると嘔吐、炎症、皮膚炎を引き起こします。

1)「毒物及び劇物取締法」により劇物に指定されている。

Japanese common name : Oranda-kaiu
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Zantedeschia aethiopica (L.) Spreng.


オランダカイウ(阿蘭陀海芋)
別名:カラー(Calla)
サトイモ科オランダカイウ属
学名:Zantedeschia aethiopica (L.) Spreng.
花期:4月~7月 多年草(球根) 草丈:30~100cm 苞長:7~20cm

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【学名解説】
Zantedeschia : Giovanni Zantedeschi (1773-1846)に因む
aethiopica : aethiopicus(東アフリカ・エチオピアの)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Spreng. : Christian Konrad Sprengel (1750-1816)

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷(植栽) 2006.03.20
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 10 April 2006
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by pianix | 2006-04-10 00:00 | 水辺の植物 | Trackback | Comments(2)
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Commented by 浦島太郎 at 2006-04-11 22:22 x
こんにちは!岡野さんのHPからやってきました。
3年ほど前にチャットでお話ししたことがあると思います。
これからも立ち寄らせて頂きます。
ちなみに私の趣味はクローバーの押し葉です。
今度NHKのローカルにゲストとして招かれることになりました。
もう一つの趣味はバンド活動しています。
これからもよろしくお願いします。
Commented by pianix at 2006-04-13 18:31
浦島太郎さん

こんにちは。その節はありがとうございました。
はっきりと覚えています。

クローバーの収集は素晴らしいと思います。
昨日、ある方の蝶の写真展へ行ってきました。
私が野草を撮影している同じ安倍川で撮影されたと聞いて出かけてみたのです。
老婦人が話しかけてくれました。86歳との事。
この方が出展者でした。詳しくお話を聞く事ができました。
帰宅後、家内に話したら、「お父さんも写真展をやってみたら」と言います。
よくよく考えると、皆様にお見せするような写真など何もない事に気が付きました。
写真展やクローバーの展示などをされている意欲的な方達には頭が下がります。
今後ともよろしくお願いいたします。
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