ナガミヒナゲシ(長実雛芥子/長実雛罌栗)
 ナガミヒナゲシ(長実雛芥子/長実雛罌栗)は、ケシ科ケシ属の1年草(越年草)です。地中海沿岸を中心とするヨーロッパ原産で、南北アメリカ、アジア、北アフリカ、オセアニアに分布します。麦の栽培に伴い分布を拡大したと考えられています。日本では、観賞用として導入されたものが野生化し、1961年に東京で確認されました。現在では全国に分布する帰化種になっています。名の由来は、長い実を付ける小型のケシから。英名は、Long-headed poppy。

 ケシ科(Papaveraceae Adans. 1763)は、北半球の亜熱帯から温帯にかけて23属約210種が分布します。ケシ属(Papaver L. (1753))は世界で約100種あり、日本での自生種は1種類です。ナガミヒナゲシはケシ科ケシ属ですが、阿片を精製できないので法的規制はなく問題ありません。

 秋に芽生えロゼットを形成します。草丈は20~60cmになります。葉は互生し、羽状(1~2回羽状)に深裂します。細かな毛が両面に生えています。根生葉は20cm程の長さです。開花前の蕾は毛があり、うなだれていますが、開花時には直立して萼を落下させます。花弁は4枚。サーモンピンク色をしていてシワが多くあります。雄しべは多数。両生花で一日花です。

 果実は蒴果で、2~3cm程の楕円形をしていて上部に蓋を付けた形状をしています。無毛で、円盤形の柱頭に3~9本の筋を放射条につけます。果実が大きなものは筋の本数も増えます。熟すると藁色になり、円盤形の蓋が上に反りかえり、子房との間に隙間ができます。そこから1000個以上の網目状のシワがある小さな種子を風や動物によって散布します。染色体数は、2n=28, 42。

Japanese common name : Nagami-hinagesi
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Papaver dubium L.

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左:花弁の展開中 右:花弁の展開後
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柱頭の状態
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蓋が上がり種子を散布した果実


ナガミヒナゲシ(長実雛芥子/長実雛罌栗)
ケシ科ケシ属
学名:Papaver dubium L.
花期:5月~6月 1年草(越年草) 草丈:20~60cm 花径:2~3cm

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【学名解説】
Papaver : papa(粥)/ケシ属
dubium : dubius(疑わしい・不確実の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
葵区堤町 2006.04.07
葵区西ヶ谷 2014.05.16
賤機山 2017.05.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

11 April 2006
Last modified: 22 May 2017
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by pianix | 2006-04-11 00:00 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by 浦島太郎 at 2006-04-13 23:41 x
こんにちは!pianix さんの写真と詳しいコメント楽しませて頂いています。岩手はまだ寒く草花もまだ少ないです。こちらではやっとスイセンが蕾をつけたばかりです。福寿草が今も咲いています。
Commented by pianix at 2006-04-20 22:38
浦島太郎さん
縦長の日本列島の事、地域が異なると花の咲く時期も異なりますね。
地域性がある花も多くありますね。静岡では見られないものが
東北や北海道で見られたりします。
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