ニリンソウ(二輪草)
 ニリンソウ(二輪草)は、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草です。北海道から九州までに分布する在来種で、国外では中国や朝鮮、樺太などに分布します。名の由来は、一本の茎に2輪の花が咲く事から。実際は必ずしも2輪ではなく、1~4輪の場合があります。

 キンポウゲ科(Ranunculaceae Juss. (1789))は、世界に58属約2500種が分布します。イチリンソウ属(Anemone L. (1753))は、北半球の温帯から亜熱帯にかけて約100種が分布し、日本には12種が分布します。

 小形で棒状の塊茎があります。根生葉は柄が無く、3枚輪生します。3全裂し、側裂片は更に深く2裂する三出掌状複葉1)です。総苞葉(茎葉)の間から長い花柄を出し、先端に花をつけます。白い花弁に見えるのは萼片で、花弁はありません。花弁状の花被片で、5~7枚あります。二輪が同時に咲く事はなく、時間差があります。両性花で、黄色の雄しべは多数あります。虫媒花で、痩果2)を付けます。染色体数は、2n=14。

 山菜として知られているニリンソウですが、皮膚刺激成分であるプロトアネモニン3)が含まれています。肌荒れを起こす事があり、前処理をしないで食べると食中毒(事例あり)を起こします。また、ニリンソウとトリカブトの葉が似ている為に採取には注意が必要です。トリカブトの葉は互生し、根が円錐形です。ニリンソウの萼片が緑色になる変異種に、ミドリニリンソウ(Anemone flaccida F.Schmidt f. viridis Tatew.)があります。

1)三出掌状複葉(さんしゅつしょうじょうふくよう)
 葉柄の先に3個の小葉がつく複葉(palmately trifoliolate leaf)
2)痩果(そうか)
 固い殻で覆われていて、成熟しても果皮が割れないもの(achene)
3)プロトアネモニン(Protoanemonin, C5H4O2) : イチリンソウ属(Anemone)植物に含まれる油状物質。環状イソプレン化合物。水泡、胃腸炎、下痢、嘔吐、消化器出血を起こす。

Japanese common name : Nirin-sou
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Anemone flaccida F.Schmidt

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左:萼片は普通5枚  右:赤味がかかった萼片
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雄しべ多数
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膨らんできた子房 2007.04.27

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右:蕾と葉(2007.03.21)   左:参考:ヤマトリカブトの葉
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介在する虫


ニリンソウ(二輪草)
別名:ガショウソウ(鵝掌草)
キンポウゲ科イチリンソウ属
学名:Anemone flaccida F.Schmidt
花期:4~6月 多年草 草丈:15~25cm 花径:15~25mm

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【学名解説】
Anemone : 風の娘|ギリシャ神話の青年Adonis/イチリンソウ属
flaccida : flaccidus(柔軟な)
F.Schmidt : Friedrich (Karl) (Fedor Bogdanovich) Schmidt (1832-1908)

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷 2006.03.31
葵区千代 2007.03.28 - 04.03 - 04.07 - 04.26, 2014.03.31 - 04.16 - 04.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

First draft: 09 April 2011, 31 March 2014
Last modified: 17 July 2016
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by pianix | 2006-04-14 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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