人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ハナイバナ(葉内花)
 ハナイバナ(葉内花)は、ムラサキ科ハナイバナ属の1~2年草です。朝鮮半島や中国の東アジアと東南アジアに分布します。国内では全国に分布する在来種です。名の由来は、葉が萎えている「葉萎花」説と、茎と葉の間、あるいは葉と葉の間に花が付く「葉内花」説などがあります。一般に「葉内花」と解釈される場合が多いようです。中国名は、柔弱斑种草(róu ruò bān zhŏng cǎo)。

 ムラサキ科(Boraginaceae Juss. (1789))は、地中海沿岸などの温帯地域を中心に約154属2500種類が分布します。日本には14属28種、草本では11属が分布します。ハナイバナ属(Bothriospermum Bunge, 1833)は、日本では本種のみが分布します。

 茎は細く、基部は地を這い、途中から立ち上がります。茎には上向きに寝た伏毛が生えています。葉は互生します。長さ2~3cm程の長楕円形で、シワがあります。

 花期は4月から11月頃。葉腋に小さな花を付けます。萼片は5つに深く裂け先が尖ります。花弁は5裂し、淡青紫色。径2~3mm程の小さな花です。花の中央にある鱗片副花冠(corona)は白色で10個あります。果実は楕円形で4つに分かれている分果です。

 キュウリグサ属のキュウリグサに良く似ていますが、キュウリグサの場合は、鱗片副花冠が黄色であるので判別できます。また、キュウリグサのように渦巻き状になる蠍(さそり)形花序ではありません。ハナイバナの場合は茎の上部の方まで葉が付いています。

Japanese common name : Hanai-bana
ハナイバナ(葉内花)_e0038990_17582843.jpg
Bothriospermum zeylanicum (J.Jacq.) Druce
ハナイバナ(葉内花)_e0038990_17584225.jpg
花径は2~3mm、萼片は5深裂し、鱗片副花冠は白色で10個。


ハナイバナ(葉内花)
ムラサキ科ハナイバナ属
学名:Bothriospermum zeylanicum (J.Jacq.) Druce
synonym : Bothriospermum tenellum (Hornem.) Fisch. et C.A.Mey.
花期:4月~11月 1~2年草 草丈:10~30cm 花径:2~3mm

ハナイバナ(葉内花)_e0038990_2163229.gif


【学名解説】
Bothriospermum : bothrion(小穴)+sperma(種子)/ハナイバナ属
zeylanicum : ceylanicus(セイロンの)
J.Jacq. : Joseph Franz von Jacquin (1766-1839)
Druce : George Claridge Druce (1850-1932)
---
synonym(シノニム):同意語、異名。
tenellum : tenellus(非常に軟い・細い・弱い)
Hornem. : Jens Wilken Hornemann (1770-1841)
Fisch. : Friedrich Ernst Ludwig von Fischer (1782-1854)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&に同じ)
C.A.Mey. : Carl Anton Andreevic von Meyer (1795-1855)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.0km 左岸土手 2006.04.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

17 April 2006
Last modified: 30 May 2014
ハナイバナ(葉内花)_e0038990_1703595.gif

by pianix | 2006-04-17 00:00 | | Comments(4)
Commented by brizu at 2006-04-19 10:10
これはキュウリグサとは違うんですね。
僕はまとめてキュウリグサとよんでました。
教えていただいてよかった。
Commented by pianix at 2006-04-20 22:41
brizuさん
キュウリグサに似ていますね。
以前、この花を探し回った事がありました。
この花は、揉んでもキュウリのような臭いはしません。
Commented by surugaki at 2006-05-01 16:22
またまた、この記事に教えられました。キュウリグサをTBさせて頂きました。
記事中にこちらの記事を無許可で、リンクさせて頂きました。ご容赦ください。
Commented by pianix at 2006-05-02 14:35
surugakiさん
拝見しました。
こちらへのリンクが貼られているなど、気を遣って頂いているのが分かります。恥ずかしいけど、ありがとうございます。
だんだんと小さな野草に目が行っているようで、深みにはまっていませんか(笑)
その内に、「風よ止まれ」とか念じながら写真を撮るようになったら重傷です。小さなものは、そよぎますからね。晴れていても風があるとNGですね。それにしても5月1日は暑かったですね。駿河区で32度!
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< サギゴケ(紫鷺苔) スズメノエンドウ(雀野豌豆) >>