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クロボシツツハムシ(黒星筒葉虫)
 生物全てに共通の言語があり、口があって喋るのだったら、これは恐ろしい事になります。冬の河川敷から野草たちが「さむ~い」と大合唱を始めたら夜も眠れません。野菜を収穫しようとしている農家の方達は耳栓が必要ですし、道端の野草を踏んづけた途端に「いて~」とか言われて謝らなければなりません。人間が関与していなくても、これは起こります。虫同士の縄張り争い、虫に食われそうになる葉の悲鳴……。

 「草花は文句も言わずに咲いている」とは人間の勝手な解釈ですね。この時期は、部署配置換えや入学後のとまどいで、人間社会の悩みはつきません。人間の言語が多岐にわたり、個人特有の言語さえもが存在するとすれば、意思の疎通が途切れ誤解が生じるのも致し方ない事です。それで、地球上の生物は言語の有無に関わらず苦しみに呻いているとも言えます。喜びの大歓声に溢れていると想像しがたいのは、人間の本質の現れ故かもしれません。

 ここにクロボシツツハムシ(黒星筒葉虫)がいます。もしあなたがタンポポとノゲシの区別がつかないようでしたら、テントウムシと思っても不思議ではありません。しかし、観察する事で様子がおかしいと感じるかもしれません。生活形態が異なる事にも気がつくかもしれません。赤い地色に黒の斑点があるのは、テントウムシに似ています。でも、少し長い体型です。触角も長いですね。テントウムシに擬態していると考える人もいます。どうやって擬態できるのか、私にとっては最大の難問です。何万年もかけると真似できるものなのでしょうか。木の葉そっくりの虫も、何故その形態を取るに至ったのか、分かりません。そんな長い間、観察するのは不可能だからです。化石に頼るしかありませんが、正確に説明できる人は多分いないと思います。

 クロボシツツハムシを漢字で表すとどうなるのかさえも分かりません。推測で「黒星筒葉虫」としておきました。黒い斑点がある筒状の葉虫と考えましたが、合っているかは分かりません。生物の標準和名はカタカナで表記するのが習慣だからです。漢字は使いません。

 甲虫目に属します。甲虫目は、約116科370000種があります。ハムシ科(Chrysomelidae Latreille, 1802)ツツハムシ亜科(Cryptocephalinae)の仲間です。ハムシは、種類によって特定の葉を食べる事から付けられた名前です。クロボシツツハムシは成虫・幼虫共に、梨、栗、櫟(くぬぎ)、萩の葉を食草としています。従って害虫として扱われます。本州から九州にかけて生息しています。翅に6個の黒い斑紋がありますが、個体によって変異があります。完全変態をします。

Japanese common name : Kurobosi-tutuhamusi
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Cryptocephalus signaticeps Baly, 1873


クロボシツツハムシ(黒星筒葉虫)
甲虫目ハムシ科ツツハムシ亜科
学名:Cryptocephalus signaticeps Baly, 1873

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体長:4~6mm
出現期:4月~8月
分布:本州・四国・九州
食草:ブナ科、バラ科、マメ科

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.50km 右岸土手 2006.04.18
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 25 April 2006
クロボシツツハムシ(黒星筒葉虫)_e0038990_1703595.gif

by pianix | 2006-04-25 00:00 | | Comments(2)
Commented by brizu at 2006-04-27 13:30
このムシは胸のクロい星の位置が、
個体によって微妙にずれたりするんですよ。
人の顔と同じなんですね。
僕のブログより、イタドリハムシをTBさせていただきました。
ぼけちゃってるものですみませんが。^^
Commented by pianix at 2006-04-27 22:36
brizuさん
イタドリ専門のハムシですね。
イタメシ専門のハムシがいたら凄そうです。
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