アケビ(木通/通草)
 アケビ(木通/通草)は、アケビ科アケビ属の落葉高木です。東アジアの中国、朝鮮半島、日本の本州から九州にかけて分布する在来種です。名の由来は、果実が熟すと割れて中の果肉が見える事から「開け実」や「開肉」、あるいは熟しても果実が割れないムベ(郁子)に対して「開け郁子」で、それぞれが転訛したものとの説があります。木通(モクツウ, mù tōng)は中国名で、蔓に道管がある事から。英名は、chocolate vine。

 アケビ科(Lardizabalaceae R.Br. (1821))は、東アジアとチリに約7属35種が分布します。アケビ属(Akebia Decaisne (1837))は、日本に3種1雑種が分布します。

 薬用果実として知られています。中国では、2000年前の漢の時代に成立した「神農本草経」に木通(通草)が記載されていて、鎮痛薬(消炎性利尿薬、関節)の処方薬とされています。日本薬局方では、アケビまたはミツバアケビの茎を生薬のモクツウ(木通)として利尿・鎮痛・排膿に利用されます。

 蔓は左巻きに巻き付いて成長します。葉は、小葉5枚の掌状複葉です。これは学名の種小名quinataにも採用されていて、他の仲間との区別になります。小葉は楕円形で鋸歯がありません。同じ仲間のミツバアケビ(三葉木通)1)は小葉が3枚の3出複葉、自然交雑種のゴヨウアケビ(五葉木通)2)は小葉が5枚の掌状複葉ですが鋸歯があります。

 花は、雌雄同株、雌雄異花で自家不和合性があります。総状花序の先端に雄花、基部に雌花が付きます。雌花は雄花より大きく径25~30mm程で、暗紫色の萼片が3つあります。中央から濃暗紫色の雌しべを放射状に6~9本出します。雄花は径10~16mm程の薄黄色で、中央部に6本の雄しべを出します。果実は裂開果3)の袋果4)で、熟すと紫色になり、5~10cm程の長さになり裂開します。果肉は白色半透明で、食用になります。種子は黒色です。染色体数は、2n=16,32。

1)ミツバアケビ(三葉木通)Akebia trifoliata (Thunb.) Koidz.
2)ゴヨウアケビ(五葉木通)Akebia x pentaphylla (Makino) Makino
3)裂開果(れっかいか):熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する果実(dehiscent fruit)
4)袋果(たいか):一枚の心皮からなる子房からなる果実で内縫線あるいは外縫線で裂ける(follicle)

Japanese common name : Akebi
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Akebia quinata (Houtt.) Decne.
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▲雄花

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左:果実は袋果(2016.10.31) 右:小葉5枚の掌状複葉


アケビ(木通/通草)
アケビ科アケビ属
学名:Akebia quinata (Houtt.) Decne.
花期:4月~5月 落葉低木(蔓性) 花径:雄花10~16mm/雌花25~30mm 果期:9~10月

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【学名解説】
Akebia : 日本名(アケビ)/アケビ属
quinata : quinatus(五の・五小葉の)
Houtt. : Maarten Houttuyn (1720-1798)
Decne. : Joseph Decaisne (1807-1882)
---
trifoliata : trifoliatus(三葉の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Koidz. : 小泉源一 Gen-ichi Koidzumi (1883-1953)
pentaphylla : pentaphyllus(五葉の)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.04.07
帆掛山 2016.10.31
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 April 2006, 9 August 2016
Last modified: 8 November 2016
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by pianix | 2006-04-28 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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