アメリカフウロ(亜米利加風露)
 アメリカフウロ(亜米利加風露)は、フウロソウ科フウロソウ属の1年草です。北アメリカ原産の帰化植物で、昭和初期に京都市で牧野富太郎博士により発見されました。戦後、各地に広まり、本州から九州にかけて分布します。名の由来は、アメリカ産のフウロソウ(風露草)の意味です。フウロソウは、イブキフウロ(伊吹風露)であるらしいのですが、名の由来は不明です。英名は Carolina geranium。

 フウロソウ科(Geraniaceae Juss. (1789))は、世界の温帯地域に12属約730種が分布します。フウロソウ属(Geranium L. (1753))は全世界に約300種があり、日本には12種が分布します。

 茎は根元で分枝して這い、途中から斜上します。赤みを帯びるものもあります。草丈は幅があり、通常は10~40cm程です。茎や葉には微細な毛を密生します。葉は深く5~7裂し、さらに裂片は羽状に裂けます。葉も赤みを帯びた縁取りが現れる事があります。

 花期は5月から9月頃で、葉腋から花柄を出します。萼片は5枚。淡紅色をした花弁は5枚で径5~10mm程。縦に縞模様が入り、花弁先端はへこみます。雄しべ(stamen)は10本の五長雄しべ(pentadynamous stamen)で、花柱を取り囲む内輪の5本が長くなります。雌しべは1本で、花柱先端は5裂します。葯の色は黄色。自動自家送粉1)を行います。

 果実は朔果です。槍状で、熟すと黒褐色になり、下から縦に5つに裂け弾き飛ばす自動散布(autochory)が行われます。ゲンノショウコ(現の証拠)も同じ仲間なので似ています。種子は長さ2~5mm程。秋に発芽してロゼットで越冬します。ゲンノショウコやツルヨシの生育地に侵入して、在来種を駆逐すると言われています。染色体数は、2n=52。

1)自動自家送粉:自動的に自家受粉を行う仕組み。自家送粉(self pollination)

Japanese common name : Amerika-fuuro
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Geranium carolinianum L.
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花弁5、10本の五長雄しべ。果実は朔果。2010.05.17


アメリカフウロ(亜米利加風露)
フウロソウ科フウロソウ属
学名:Geranium carolinianum L.
花期:5月~9月 1年草 草丈:10~40cm 花径:5~10mm

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【学名解説】
Geranium : geranos(鶴)の古名geranionに因む/フウロソウ属
carolinianum : carolinianus(北米カロライナの)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

※誤りやすい表記:アメリカフロウ、アメリカフウロウ、セイヨウフロウ、セイヨウフウロ etc.

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.25km 右岸河川敷 2006.04.24
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

First draft: 29 April 2006
Last modified: 17 May 2010
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by pianix | 2006-04-29 00:00 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by brizu at 2006-05-01 15:10
僕は最近このはなの存在を知りました。
初め、ヒメウズかと思ったのですが
それにしちゃ花が直立していて
いつでも元気がいい。
で、ブログに載せたら、アメリカフウロだと
何人かの方に教えていただきました。
ゲンノショウコのように種がパーンとはじけるらしいってことで
じっくり観察したいです。^^
Commented by pianix at 2006-05-02 14:29
brizuさん
以前はあまり見かけなかったのですが、ここ数年で多くなったようです。
ヒメウズは、写真に撮るのが難しいですね。
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