オキナグサ(翁草)
 オキナグサ(翁草)は、キンポウゲ科オキナゲサ属の多年草です。日本・朝鮮半島・中国大陸・欧州を原産とし、日本では、本州から九州にかけて分布する在来種です。名の由来は、花後の果実に付く毛が綿帽子状になり、それが老人(翁)の白髪に見える事から。白頭翁(はくとうおう)と呼ばれるのは生薬名で、これは中国産のヒロハオキナグサ(広葉翁草)を指します。

 環境省レッドデータブックでは絶滅危惧II類(VU)、つまり絶滅の危険が増大している種とされています。100年後の絶滅確率は、ほぼ100%。東京、千葉、和歌山では絶滅とされています。要因は、園芸目的の盗掘や開発によります。

 キンポウゲ科(Ranunculaceae Juss. (1789))は、世界に58属約2500種が分布します。オキナグサ属(Pulsatilla P.Miller, 1754)はキンポウゲ亜科・イチリンソウ連に含まれ、北半球の温帯から亜寒帯にかけて約43種が分布します。日本では2種(オキナグサとツクモグサ)が自生します。

 根は太く、深くにまで伸びます。これは生薬として使われます。花茎は10~30cm程になります。根出葉は束生し、長い柄がある2回羽状複葉で、広卵形の5小葉があります。小葉は卵形から菱状円形で2~5に深く裂け線形になります。茎葉に柄はありません。根出葉や花茎に長い白毛を密生します。花茎が10cm程になると蕾が開き始めます。花茎1本にひとつの花を下向きに付けます。長さ25~30mm程の長楕円形(鐘形)で、暗赤紫色の花弁に見えるものは6個の萼片です。天候の悪い時や夜間は閉じます。

 棍棒状にふくらんだ約300本の雄しべがあり、黄色の葯を付けます。花茎が30cm程になると萼片を落とし、雄しべは30~40mm程になります。雌しべ(花柱)の根元に果実を付けます。熟すと銀色で径6cm程の球状の綿毛を付けます。種子は3mm程の長卵形をした痩果で、風で飛散します。種子は寿命が短いので採り播きをしますが、乾燥後に冷蔵や冷凍保存する事ができます。

 全草にプロトアネモニン(protoanemonin)を含み有毒です。食べると食中毒症状(嘔吐・痙攣・下痢・血便)を起こします。

Japanese common name : Okina-gusa
e0038990_23543510.jpg
Pulsatilla cernua (Thunb.) Berchtold et J.Presl


オキナグサ(翁草)
キンポウゲ科オキナゲサ属
学名:Pulsatilla cernua (Thunb.) Berchtold et J.Presl
synonym : Pulsatilla cernua (Thunb. ex Murray) C.K.Sprenger 
花期:5月~6月 多年草 草丈:10~30cm 花長:25~30mm

e0038990_2163229.gife0038990_10353896.gif

【学名解説】
Pulsatilla : pulso(打つ・鳴る)に由来/オキナゲサ属
cernua : cernuus(点頭した・前屈の)
Thunb. : Thunb.:Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Berchtold : Bedricha (Friedrich) Wssemjra von Berchtold (1781-1876)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
J.Presl : Jan Svatopluk (Swatopluk) Presl (1791-1849)
---
ex : ~による
Murray : Johan Andreas Murray (1740-1791)
C.K.Spreng : Christian Konrad (Conrad) Sprengel (1750-1816)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.04.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

8 June 2006, August 12, 2008
Last modified: 2 June 2014
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-05-08 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://pianix.exblog.jp/tb/3390789
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< ヒトツバタゴ(一つ葉田子) チチコグサモドキ(父子草擬) >>