ニガナ(苦菜)
 ニガナ(苦菜)は、キク科ニガナ属の多年草です。中国、韓国、日本に分布し、日本国内全域で自生分布する在来種です。名の由来は、茎や葉に含まれる乳液が苦い事によります。山菜として利用され、副鼻腔炎や胃炎の民間療法にも使われます。英名は、Korean lettuce。ニガナの名が付くものは多いので判別には若干の注意が必要です。 

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。ニガナ属(Ixeridium (A. Gray) Tzvelev, in V.L. Komarov, 1964)は、東アジアに約20種が分布し、日本には約10種が分布します。

 長い葉柄を持つ根生葉があり、3~10cmの広披針形から倒卵状長楕円形です。全縁か、羽状に深く裂けます。茎の断面は、四角形状。茎に付く葉は4~5cmの長楕円形で、柄はなく基部で茎を抱きます。総苞片は細い円筒形で、総苞外片は短い鱗片状です。

 花期は5月から7月頃。花茎を分散させ、頭花を集散状に付けます。花弁に見えるのは、小花である黄色の舌状花です。それが集まった径15mm程の集合花で、舌状花は通常5個あります。先端に4つ程の切れ込みがあります。舌状花が7~11枚のものはハナニガナ(花苦菜)と呼ばれます。

 雄しべは5本がまとまって筒になる集約雄ずいです。無性生殖で種子を作ります。無融合生殖1)で、複相胞子生殖2)を行います。果実は紡錘形の痩果で、長さは3~3.5mm。白色の冠毛を付けます。風によって散布されます。染色体数は、2n=21,28。

1)無融合生殖(apomixis):
 受精を行わずに配偶体から新しい胞子体ができる生殖法
2)複相胞子生殖(diplospory, aneuspory):
 配偶体無融合生殖(gametophytic apomixis)の内の一つで、胚珠内の倍数性の大胞子からそのまま胚嚢がつくられるもの。

Japanese common name : Nigana
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Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. dentatum


ニガナ(苦菜)
キク科ニガナ属
学名:Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. dentatum
synonym : Ixeris dentata (Thunb.) Nakai
花期:5月~7月 多年草 草丈:20~40cm 花径:15mm

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【学名解説】
Ixeridium : Ixeris(語源不明)+eidos(構造)/ニガナ属
dentatum : dentatus(歯状の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Tzvelev : Nikolai Nikolaievich Tzvelev (1925- )
subsp. : subspecies(亜種)
---
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)
synonym(シノニム) : 同意語、異名。

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.10
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 10 May 2006
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by pianix | 2006-05-10 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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