ニワゼキショウ(庭石菖)
 ニワゼキショウ(庭石菖)は、アヤメ科ニワゼキショウ属の多年草です。北アメリカ原産で、日本へ1887年(明治20年)頃に観賞用植物として渡来し、小石川植物園に植えられました。その後に逸出して日本各地に広まった帰化植物と言われて来ましたが、現在では別経路で侵入帰化したと考えられています。名の由来は、サトイモ科のセキショウ(石菖)に葉が似ていて、庭園に植栽されていた事からと言われています。セキショウの花は肉穂花序であり、当然の事ながら本種とは全く異なります。英名は、blue-eyed grass。

 アヤメ科(Iridaceae Juss. (1789))は、全世界に分布し、約92属1800種があります。ニワゼキショウ属(Sisyrinchium L. (1753))は、全てが北アメリカ原産です。分類に混乱があり、70から150種と学説が定まっていません。

 単子葉植物です。アヤメ科の仲間は3を基本に花弁や雄しべなどが構成されます。茎は叢生し、扁平で、狭い翼があり無毛です。茎葉は幅2~3mmの線形で基部は茎を抱き、アヤメ科の特徴が見られます。

 花期は5月から6月頃。ヘラ形をした1~2枚の葉状の苞から非常に細い花茎を出し、茎頂に径10~15mmの花をつけます。花被片は6個で、先端は尖り、基部は筒状です。花被片と筒状部分には紫色の縞があります。アヤメ科の植物は、内花被片と外花被片が3枚ずつあり、その大きさが異なる事がほとんどですが、本種は花被片6個がすべて同形で、筋の本数だけが異なっています。筒状の中心部と葯の色は黄色です。

 両性花で、雄しべは3本。雌しべ花柱先端は糸状に3裂します。子房下位。花色は白と赤紫色があります。花は朝に咲き夕方に萎む1日花です。遺伝では赤紫が劣性、白花が優性です。従って、第一世代(F1)は全て白花になります。交雑種が出やすい傾向にあります。果実は球形の朔果です。径3mm程で艶がある紫褐色をしています。熟すにつれて下を向き、3裂して細かな種子を散布します。染色体数は、2n=32。

 近似種に、草丈があり花径が小さい淡青色の、オオニワゼキショウ(大庭石菖)Sisyrinchium sp.(学名未確定)、藍色で花弁先端が細く尖る、ルリニワゼキショウ(瑠璃庭石菖)Sisyrinchium graminoides Bicknell、等があります。ヒレニワゼキショウ(鰭庭石菖)やアイイロニワゼキショウ(藍色庭石菖)とも言われます。和名、学名共に混乱があります。

Japanese common name : Niwa-zekisyou
e0038990_1795872.jpg
Sisyrinchium rosulatum E.P.Bicknell

e0038990_17105872.jpge0038990_17132773.jpg
花被片先端部分が白色の花。赤紫が劣性、白花が優性遺伝。
e0038990_19243029.gif
▼オオニワゼキショウ(大庭石菖)

e0038990_1714529.jpge0038990_17154375.jpg
Sisyrinchium sp.


ニワゼキショウ(庭石菖)
アヤメ科ニワゼキショウ属
学名:Sisyrinchium rosulatum E.P.Bicknell
花期:5月~6月 多年草 草丈:10~20cm 花径:10~15mm

e0038990_12135938.gif

【学名解説】
Sisyrinchium : sys(豚)+rhynchos(鼻)/ニワゼキショウ属
rosulatum : rosulatus(ロゼット状の・薔薇模様のある)
E.P.Bicknell : Eugene Pintard Bicknell (1859-1925)
---
sp. : species(種)/未確定種の場合、属名+sp.と記される。

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.05, 2006.05.10
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2013.05.26
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

First draft: 11 May 2006
Last modified: 05 April 2014
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-05-11 00:00 | | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://pianix.exblog.jp/tb/3416042
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by mico at 2006-05-12 16:58 x
ニワゼキショウ家の庭でも咲き出しました。
花色も多いようですね。家のは一枚目の写真の色です。
Commented by pianix at 2006-05-13 14:51
micoさん
このニワゼキショウとヒナギキョウが、たくさん出てきましたね。
今の季節は、イネ科植物が花をつけているのが目に付きます。
Commented by 母ゆずりでこの花が好き at 2006-05-29 10:19 x
母は明治40年、三河は長篠の生まれです。新城の女学校へ通っていたとき、初めてこの花を見て、その可憐さに、一株採ってきて家の近くの土手に植えたと、自慢そうに言っていました。それからこのあたりにひろがったのよと。この花を見ると、亡母のことを思いだします。
今なら生態系に影響するといって非難される行為でしょうか。
Commented by pianix at 2006-05-30 23:54
母ゆずりでこの花が好きさん

お母様の好きだった花を、子供が受け継いだ訳ですね。
我が家では、義父が藤を残しました。
その時期になると深く思い出します。
我が家の近くの河川敷では、ニワゼキショウが足の踏み場もないほど咲いています。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< コバンソウ(小判草) ニガナ(苦菜) >>