キリ(桐)
 キリ(桐)は、キリ科キリ属の落葉高木です。中国原産と考えられ、日本、朝鮮半島、南米、アメリカに分布します。日本には平安時代にはあったことから、古い時代に渡来したものと考えられています。北海道南部以南の各地に植栽されています。名の由来は、切ってもすぐに成長する「切り」や、木目が美しいキリ(木理)であるとかの諸説がありますが、はっきりしません。英名は、pawlounia、あるいはPrincess tree。

 APG植物分類体系では、キリ科(Paulowniaceae Nakai, 1949)で、4属20種が分布し、日本には1属1種があります。旧分類のエングラー分類体系では、ゴマノハグサ科(Scrophulariaceae Juss. (1789))で、熱帯から寒帯に約220属3000種がある合弁花類です。キリ属(Paulownia Siebold & Zuccarini, 1835)は、日本、中国、朝鮮等のアジアに分布します。キリ属の学名Paulowniaは、シーボルトが後援を受けていたオランダのアンナ・パヴロヴナ女王の名に因み献呈したものです。

 高さは8~15m程で、直径は30~50cmになります。樹皮は灰白色で、ひび割れがあります。葉は対生します。長い柄があり、長さ20~30cmの広卵形で、浅く3~5裂し、粘毛が密生します。幼木には巨大な葉が付く事があります。

 花期は5月から6月で、薄紫で筒状鐘形の合弁花を円錐花序に付けます。花冠は長さ5~6cmで、先端は唇状に5裂し平開します。強い芳香があります。花冠の基部に密着した雄しべが4本あります。雌しべは1本。受粉後に雄しべと花冠は脱落します。果実は朔果で、3cm程の先端が尖った卵形をしています。淡茶色で、内部は2室に分けられています。熟すと2裂して翼がある種子を出します。

 栽培は比較的容易で、挿し木・葉押し・種子等で行います。材は、比重0.29-0.31と軽く狂いが少ない事から、箪笥や下駄、楽器の琴などに使用されます。燃えにくいのも特徴です。昔は、女の子が生まれるとキリを植え、嫁入り道具の箪笥を作る習慣がありました。現在は輸入が多くなっています。500円硬貨の図柄に採用されています。日本国政府が演台や表彰状などに使用しているのは五七の桐と言われる桐花紋です。樹皮を乾燥させたものを桐皮と言い、痔疾・打撲症・外傷の民間薬として用います。

Japanese common name : Kiri
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Paulownia tomentosa (Thunb.) Steud.

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左:花冠基部に密着した雄しべ4と雌しべ1 右:受粉後に雄しべと花冠は脱落
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全体


キリ(桐)
別名:キリノキ(桐の木)/ハナキリ(花桐)
キリ科キリ属
学名:Paulownia tomentosa (Thunb.) Steud.
花期:5月~6月 落葉高木 樹高:8~15m 花径:5~6cm 果期:10~11月

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【学名解説】
Paulownia : Anna Paulowna Romanov (1795-1865)オランダ女王に因む/キリ属
tomentosa : tomentosus(密に細綿毛のある)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Steud. : Ernst Gottlieb von Steudel (1783-1856)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10km 右岸河川敷 2006.05.20
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

22 May 2006, 24 March 2014, 24 January 2015
Last modified: 18 April 2016
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by pianix | 2006-05-22 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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