シロツメクサ(白詰草)
 シロツメクサ(白詰草)は、マメ科シャジクソウ属の多年草です。ヨーロッパ原産で、北アフリカ・アジア・南北アメリカ・オセアニアに分布します。日本へは、1846年(弘化3年)にオランダから渡来しました。明治時代以降も牧草・緑肥・緑化用として輸入され、日本全国に分布するようになった帰化植物です。名の由来は、干し草が梱包の緩衝材として使われた事から。クローバ(Clover)は、シャジクソウ(車軸草)属の三つ葉植物全体を指します。日本では普通、本種を指します。英名は、White clover。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があります。シャジクソウ(車軸草)属(Trifolium L. (1753))は、温帯から亜熱帯に約300種があり、日本の在来種として自生するのは1種1)のみです。

 根には根粒があり、根粒バクテリアとの共生により空中窒素の固定能力を持ちます。地表を這う匍匐茎(ほふくけい)があり、その節々から葉や花の茎を立ち上げます。匍匐茎の長さは50~200cmになるものもあります。葉は3出複葉2)です。倒卵形でV字型の紋様か無紋があります。この紋様は無紋に対して遺伝的優勢にあります。夜は閉じます。4枚葉以上は閉じにくくなり寿命も短めになります。

 花期は4月から10月頃。10~30cmに立ち上がった花茎の先に、15~25mmの総状花序を球形に付けます。頭花は白色で、長さ8~12mmの蝶形花が30から80個集まったものです。蝶形花は5枚の花弁で構成された離弁花です。萼は先端が5裂します。両性花で、10本の雄しべがあり、内9本が筒状になる二体雄ずいを形成します。雌しべは1本です。多数の品種が存在します。蜂などにより他家受粉する虫媒花です。養蜂には重要な植物で、蜂蜜生産量が世界一の蜜源です。果実は豆果です。染色体数は、2n=16,28,32,48,64。

 普通は3枚葉のいわゆる三つ葉ですが、稀に四つ葉があり、幸福を呼ぶ四つ葉のクローバー(Four-leaf clover)と呼ばれています。ヨーロッパの伝説では、三つ葉はキリスト教の三位一体3)を表し、四つ葉は十字架に見立てられます。アイルランドへ布教した聖パトリック(Saint Patrik, 387-493)が教義の説明の為に葉を用いて例えたものとされています。実際のところ、十字架は死に至らしめる拷問処刑用具ですから、宗教的な意味合いを失うと内容は逆転します。アイルランドの国花になっています。

 さらに五つ葉、六つ葉もあり、小原繁男博士(Shigeo Obara 1925-2010.05.04)の18枚葉はギネスブックに登録された最多の枚数です。また2009年5月10日には、56枚葉も発見されています。多枚数葉は遺伝的なものと言われています。

 品種に、オオシロツメクサ(大白詰草)Trifolium repens L. f. giganteum Lagreze-Fossat や、モモイロシロツメクサ(桃色白詰草)Trifolium repens L. f. roseum Peterm. があります。よく似た仲間に、ムラサキツメクサ(紫詰草)Trifolium pratense L. 、シロバナアカツメクサ(白花赤詰草)Trifolium pratense L. f. albiflorum Alef. があります。

1)シャジクソウ(車軸草)Trifolium lupinaster L.
品種に、シロバナシャジクソウ(白花車軸草)Trifolium lupinaster L. f.leucanthum (Makino) Honda 
2)三出複葉(さんしゅつふくよう):葉身が2以上に分離された小葉で構成されるものを複葉と言う。三出複葉は、3個の小葉からなる複葉。
3)三位一体(さんみいったい):父(神)、子(キリスト)、聖霊の三位格は、一体の神であるとするキリスト教の教義。

Japanese common name : Siro-tume-kusa
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Trifolium repens L.

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頭花は蝶形花の集まり 葵区内牧寺ヶ谷 2015.06.01
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養蜂には重要な植物
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匍匐茎を持ち上げた様子。節々から葉や花の茎を立ち上げる。

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三つ葉 葉の付き方が放射状と十字状がある 2006.05.31

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四つ葉 左:葉表 右:葉裏 2007.03.06
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五つ葉 提供:戸塚佳子氏 2016.06.05
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左:花後は下垂する。果実は豆果。 右:種子は約1mm
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シロツメクサの群落


シロツメクサ(白詰草)
別名:クローバー(Clover)/オランダゲンゲ(和蘭蓮華)/シロツメグサ
マメ科シャジクソウ属
学名:Trifolium repens L.
花期:4月~10月 多年草 草丈:10~30cm 花径:1~3mm 花序径:15~25mm

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【学名解説】
Trifolium : treis(三)+folium(葉)/シャジクソウ属
repens : 匍匐する・地に這って根を出した
L. : Carl von Linne (1707-1778)
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オオシロツメクサ(大白詰草)
giganteum : giganteus(巨大な)
Lagreze-Fossat : Adrian Rose Arnaud Lagreze-Fossat (1818-1874)
モモイロシロツメクサ(桃色白詰草)
roseum : roseus(バラ色の・淡紅色の)
Peterm. : Wilhelm Ludwig Petermann (1806-1855)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.15, 2006.05.31, 2007.03.06
葵区内牧寺ヶ谷 2015.06.01
駿河区中島 2016.04.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

30 Mayh 2006, 30 May 2014, 10 June 2015, 6 June 2016, 10 August 2017
Last modified: 04 September 2017
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by pianix | 2006-05-30 00:00 | | Trackback | Comments(5)
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Commented by black-frog at 2006-06-11 23:15 x
こんばんは。初めまして。
私はシロツメクサが挿し木で増やせることに気が付き、
野生の四つ葉のクローバーを採取して栽培しております。
今ではクローバー自体に興味を抱いております。

齊藤正巳様のシロツメクサ(白詰草)の記述は拝見いたしました。
とても詳しく書かれた内容にとても勉強になりました!!!
シロツメクサは馴染みのある植物のわりに詳しい記述がなかなかありません。

>紋様は無紋に対して遺伝的優勢にあります
特にこの部分の知識に感動しました!!!!凄いの一言です。。。

他の植物に関する内容も後日ゆっくりと拝見させて頂きますね。
では、また寄らせて頂きます。




Commented by pianix at 2006-06-12 23:11
black-frogさん

ご覧頂いて感謝いたします。
「ワンルーム★ミニガーデニング栽培日記」を拝見いたしました。
「人様に迷惑とコーヒーはかけちゃいけない」は名言です。
私はというと、迷惑を大いにかけています。
迷惑をかけて死んでいくからよろしくと家族には頼んであります。
普段の生活では、迷惑をかけないように注意はしていますが。

black-frogさんのクローバーへの熱の入れ用は凄いですね。
ご自身を「クローバー馬鹿」と自称される程ですから。
私は植物音痴で方向音痴、ついでに本当の音痴です。
最近の植物学は遺伝子レベルで考えるようですから、
ど素人には敷居が高いように感じられます。
その為の顕微鏡を新調しようかと悩んでいる所以です。
でも、観察はできます。野草観察専用のバイクを用意してあります。

このブログに来ていただいたクローバー好きの方は
もう一方いらっしゃいます。
岩手県在住のcloverおじさんです。
http://photos.yahoo.co.jp/hatuwarai

今後ともよろしくお願いいたします。
色々と教えていただけたら幸いです。
Commented by black-frog at 2006-06-13 23:47 x
お返事ありがとうございました!!!
>迷惑をかけて死んでいくからよろしくと家族には頼んであります。
これは名言ですね。。。相手への思いやりは言葉で表現するしかないのですが、こういう言葉があるだけでいざという時に相手が気持ち的に救われますね。

ご紹介頂いた岩手県在住のcloverおじさんの写真拝見して参りました。
私はまだクローバーにはまったばかりですので、
「クローバー馬鹿」とは言いすぎだったかもしれません(^-^;

植物学について勉強したいとも思うのですが、
どのようにして調べれば良いのかさえ判らないしまつ。
pianixさんは自ら植物音痴とおっしゃってますが、
このブログを拝見するとかなりの知識をお持ちのように感じます。

音痴というのもにわかには信じがたいですね(^-^;
音楽教室主宰されているのですから。

こちらこそ色々教えて頂きたいと存じます。

以前ご紹介されていた野草観察専用グッズ参考にさせて頂きます。
「なんちゃってカード」私も必要ですね。時々人目が気になります。

それでは、また寄らせて頂きます。
今後ともよろしくお願いいたします。
Commented by しろしろ at 2012-07-15 19:41 x
しろつめ草のこと、いっぱい知れてとってもうれしいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww!
Commented by pianix at 2012-07-15 20:13
しろしろ さん
よろこんでもらえて、わたしもとってもうれしいwwwwwwwww
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