オランダガラシ(和蘭芥子)
 オランダガラシ(和蘭芥子)は、アブラナ科オランダガラシ属の多年草です。ヨーロッパ原産で、南北アメリカ・アジア・オセアニアにも分布します。日本へは1870(明治3)年から71年に移入されたと言われています。外国人用の野菜、あるいは薬用として栽培されていたものが逸出した帰化植物で、全国で野生化しています。名の由来は、外国産の芥子から。オランダは原産地を意味するものではなく、舶来を意味します。香味野菜として、フランス名のクレソン(Cresson)で一般的に知られています。生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。英名は、ウォータークレス(Watercress)。

 アブラナ科(Cruciferae Juss. (1789))は、西アジアから地中海沿岸地方に多く、約390属3200種が知られています。日本には100種以上があります。科名は十字架を意味し、4弁の十字状の花を付ける事に由来します。以前は十字花科とされていました。オランダガラシ属(Nasturtium R.Br.)は、北半球の温帯に6種が分布します。属名のNasturtiumは、鼻をひねるの意味で、辛み成分の刺激から来ています。日本に在来の自生種はありません。

 日当たりの良い水辺に生育します。生活用水路を経て流された茎が各地で野生化したと言われています。根茎があり、容易に発根して白色の髭根を横へ広げます。茎は無毛、緑色をしていて断面は円形、中空です。初め這い、節々から発根させながら30~50cmに立ち上がります。栽培種は120cmに達します。葉は互生し奇数羽状複葉です。葉柄があり、縁が波打つ広楕円形で鋭頭の小葉を3~11対つけます。

 花期は4月から7月頃で、茎の先に総状花序をつけます。萼片は4枚あります。花は白色の4弁花で十字状に並び、直径は5~6mmの離弁花です。雄しべ6本、雌しべ1本の両性花です。染色体数は、2n=32,(48,64)。虫媒花です。

 果実は長角果です。円柱形で、長さは1cm~2cm。熟すと2裂して種子を出します。繁殖は根茎と種子によります。辛み成分の元はシニグリン(sinigrin)で、辛味発生酵素ミロシナーゼ(myrosinase)によってアリルイソチオシアネート(allyl isothiocyanate)に分離され、これが辛みを引き起こします。

Japanese common name : Odanda-garasi
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Nasturtium officinale R.Br.
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中空の茎


オランダガラシ(和蘭芥子)
別名:クレソン(Cresson)/ウォータークレス(Watercress)/ミズガラシ(水芥子)
アブラナ科オランダガラシ属
学名:Nasturtium officinale R.Br.
花期:4月~7月 多年草 草丈:30~50cm 花径:5~6mm

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【学名解説】
Nasturtium : nasus(鼻)+tortus(捻る)/オランダガラシ属
officinale : officinalis(薬用の・薬効のある)
R.Br. : Robert Brown (1773-1858)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川水系/内牧川 2006.05.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 12 June 2006
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by pianix | 2006-06-12 00:00 | 水辺の植物 | Trackback | Comments(0)
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