ヒペリクム・ヒドコート(Hypericum Hidcote)
 ヒペリクム・ヒドコート(Hypericum Hidcote)は、オトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉低木で、キンシバイ(金糸梅)の園芸品種です。キンシバイは中国が原産で、日本へは1760(宝暦10)年に渡来したとされています。ヨーロッパへは1862年に日本から移入されました。名の由来は、漢名の金絲梅を音読みしたもので、金(黄色)の雄しべがある梅に似た花との意味。園芸関係ではヒペルカム・ヒドコート(と呼んでいますが、実際の発音はヒペリクムです)。こちらは第二次大戦後に移入されたものと言われています。また、セイヨウキンシバイ(西洋金糸梅)の和名は、ヒペリクム・カリキヌム(Hypericum calycinum L.)に充てられています。

 オトギリソウ科(Guttiferae Juss. (1789))は、温帯から熱帯に約40属1000種があります。オトギリソウ属(Hypericum L. (1753))は、ユーラシアの温帯から亜熱帯にかけて約300種があります。

 葉は二列対生(distichous opposite)します。二列対生とは、対生葉序の一形態です。茎の節に葉が2個ずつ並んで付くものを対生と言います。上下の葉の各対が直角になり、茎先端から見ると十字に見えるものを十字対生(decussate opposite)と言い、上下の各対が重なって平面的に付くのを二列対生と言います。本種の場合は、その二列対生が少しずれています。時には、かなり十字対生に近いものまであります。類似種で花径3~4cmのキンシバイは2列対生、雄しべが長いビヨウヤナギ(未央柳/美容柳)は十字対生です。

 サイズは実測値です。括弧内のサイズは一般値によります。枝は紅紫色で、分枝します。葉序は8~13対あります。葉は長さ5cm、幅2cmで、卵状長楕円形で葉柄は無く、全縁、先端は鋭尖形です。花期は6月から7月頃で、やや艶がある黄色の5弁花を枝先に付けます。花径は6~6.5(6~8)cmで、キンシバイより大型。雄しべは長さ1cmで、5群に分かれ、約60個ずつあります。5群にはっきりと分かれていないものもあります。花柱は長さ18mmで、先端は5裂します。果実は朔果です。径1cm程で、熟すと先端が5裂して種子を出します。挿し木や株分けで繁殖させます。

※キンシバイ(金糸梅)は、Hypericum patulum Thunb.

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Hypericum patulum Thunb. cv. Hidcote
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5群に分かれた雄しべと5裂した花柱

ヒペリクム・ヒドコート(Hypericum Hidcote)
オトギリソウ科オトギリソウ属
学名:Hypericum patulum Thunb. cv. Hidcote
花期:6月~7月 半落葉低木 樹高:50~150cm 花径:6~8cm 果期:10月

【学名解説】
Hypericum : hypericonに因む|hypo(下に)+erice(草叢)/オトギリソウ属
patulum : patulus(やや開出した・散開の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
cv. : cultivana varietas(園芸品種)
Hidcote : Hidcote Manor Garden

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.50km 左岸土手(植栽) 206.05.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 17 June 2006
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by pianix | 2006-06-17 00:00 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by mico at 2006-06-18 18:59 x
こんばんは
単純にキンシバイで覚えていました。
正式名は長くて覚えられそうにありません(笑う
Commented by pianix at 2006-06-18 20:50
micoさん

最近はキンシバイよりもヒペリクム・ヒドコートのほうが植栽率が高いように思います。でも、おっしゃるとおり、分かりやすい和名を付けてもらったら助かりますね。ただ単に、キンシバイでも良いような感じがしますが。
しかし、近視蠅だと私みたいで変です。
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