クチナシ(梔)
 クチナシ(梔)は、アカネ科クチナシ属の常緑低木です。中国、韓国、日本(鹿児島・高知)、インドシナの熱帯・亜熱帯地方の東アジアが原産です。日本では静岡県以西に自生します。名の由来は、筒状の果実が熟しても先端が開いたように見えない事から、口が無いの意味で付けられたと言われています。

 アカネ科(Rubiaceae Juss. 1789)は世界に約600属、10,000種以上が存在し、クチナシ属(Gardenia J.Ellis, 1761)は約250種があり、日本には1種の自生種があります。

 葉は対生し、楕円形で全縁です。光沢のある濃緑色をしています。6月から7月頃に、強い芳香がある白色の花を付けます。大きさは品種によって異なり5~10cm程。合弁花で先端は5~7裂します。萼も5~7個。雌しべは中央に突き出て、雄しべは花弁の間に沿って広がります。5~7本あります。開花後しばらくは白色ですが、やがて黄色味を帯びるようになります。染色体数は、2n=22。

 10月から11月頃に、赤黄色の長卵形で6~7の稜(角のある筋)を持つ果実をつけます。果実の筒部分は萼であって、萼筒と呼ばれます。園芸品種のオオヤエクチナシ(大八重梔)は、大輪で八重咲き、果実はできません。コクチナシ(小梔)はヒメクチナシ(姫梔)とも呼ばれ、花径5cm程の小振りです。

 生薬に用いるのは果実の種子で、日本薬局方・サンシシ(山梔子)として、鎮静・消炎・止血・解熱・利胆・肝臓病・黄疸に処方されます。また、外用として打撲・外傷・腰痛にも使われます。成分はイリドイド配糖体(gardenoside)です。但し、八重咲き種は結実しないため薬用には使われません。カロチノイド色素であるクロシン(crocin)を含み、繊維や食品の着色料(黄色)としても使われます。種子は5mm程の黒褐色又は黄赤色をした扁平の円形です。苦い味で、僅かな香りがあります。

参考:クチナシ(梔)/果実

Japanese common name : Kutinasi
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Gardenia jasminoides Ellis
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葉は対生し、楕円形で全縁


クチナシ(梔)
アカネ科クチナシ属
学名:Gardenia jasminoides Ellis
花期:6月~7月 常緑低木 樹高:1~2m 花径:5~10cm 果期:10~12月 実:3~4cm

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【学名解説】
Gardenia : Alexander Garden (1730-1792)に因む/クチナシ属
jasminoides : Jasminum(ソケイ属ジャスミン)+ides(似た)
Ellis : John Ellis (1710-1776)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から1.50km 左岸隣接地 2006.06.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 20 June 2006
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by pianix | 2006-06-20 00:00 | | Trackback | Comments(4)
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Commented by mico at 2006-06-21 15:10 x
こんにちは
クチナシが今満開で好い香りを漂わせていますね。
250種類もあるんですね~。日本にあるのは1種類にも驚きました。
Commented by pianix at 2006-06-21 17:37
日本には園芸種を含めるとたくさんの種類がありますが、
自生種となると1種だけなのですね。
私は花の香りにむせてしまう性質なので近寄れないです。
蟻が来るので植えるのに敬遠する方もいますね。
実は、この花を見るたびに、中央にタコが乗っているように見えて不気味に思ってしまいます。
Commented by surugaki at 2006-06-21 19:05
最近、ずっと気になっていた花が、このくちなしの花です。実は、こちらのブログで初めて
知りました。ありがとうございました。花も終わりに近づき、これほどきれいではありませんが、
香りはとてもよいです。まさか、静岡以西にしかないとは知りませんでした。わたしも近いうちに
アップします。真っ赤な実も見てみたいものです。
Commented by pianix at 2006-06-21 23:29
surugakiさん

仕事が遅くなると疲れて、書くのが嫌になり、書こうとしていた予定外の花を出してしまいます。このクチナシは、その状態が大きくて以前の記事を流用したサボリ記事です。クチナシとかアカシヤとかは歌になっていますね。
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