ヤブカラシ(藪枯)は、ブドウ科ヤブカラシ属の多年草です。日本、中国、インド、マレーシアが原産で、国内では全国に分布する在来種です。名の由来は、繁殖直が強く、樹木に巻き付き藪を枯らす程である事から。別名のビンボウカズラ(貧乏蔓)は、繁殖すると家の持ち主が貧乏になるとか、手入れができない貧乏な土地に繁殖するからと言われています。中国名は、烏斂莓(wū liǎn méi)。英名は Bushkiller。
ブドウ科(Vitaceae Juss. (1789))は、熱帯から温帯に12属約700種が分布します。ヤブカラシ属(Causonis Raf. (1830)),(Cayratia Juss. (1789))は、世界に約60種が分布し、日本には2種が自生します。 柔らかい地下茎を横に伸ばして増殖し、所々から稜角(尖った角)がある茎を立ち上げます。茎は蔓性で、巻きひげで他の樹木に絡み付きます。葉は鳥足状複葉で、長さ4~8cm、幅2~4.5cmの5小葉からなり、長さ1~3cmの葉柄があります。頂小葉は波状鋸歯がある狭卵形です。 花期は6月~8月。扁平な集散花序をつけます。花は径3~6mmで、淡緑色の花弁4枚は平開し、反り返ります。早朝に開花し、花弁と花盤周辺にある4本の雄しべのほとんどは午後には脱落します。花盤は橙色から淡紅色に変化し、花盤中央の雌しべだけが残ります。花盤の色は2日間ほどで3度変化1)します。 染色体数は、2n=40,59。2倍体と3倍体があり、2倍体は関東以西に多いとの報告があります。2倍体は結実します。果実は液果です。球形で約10mm。初め白く、熟すと黒色になります。種子は半球形で3~4mm。 脚注: 1)Furukawa Y, Tsukaya H, and Kawakubo N "Oscillating flower colour changes of Causonis japonica (Thunb.) Raf. (Vitaceae) linked to sexual phase changes" Scientific Reports, Published: 01 December 2022. Japanese common name : Yabu-karasi ヤブカラシ(藪枯らし) 別名:ヤブガラシ/ビンボウカズラ(貧乏蔓) ブドウ科ヤブカラシ属 学名:Causonis japonica (Thunb.) Raf. synonym : Cayratia japonica (Thunb.) Gagnep. 花期:6月~8月 多年草 草丈:50~200cm(蔓性) 花径:3~6mm 【学名解説】 Causonis : ヤブカラシ属 japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)] Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828) Raf. : Constantine Samuel Rafinesque-Schmaltz (1783-1840) --- Cayratia : geniculatus(関節の・膝のように曲がった)の土名cay rat/ヤブカラシ属 jGagnep. : Francois Gagnepain (1866-1952) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から8.75km 左岸河川敷 2006.06.24, 2006.07.04 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 3 July 2006, 4 July 2006, 8 December 2014 Last modified: 12 March 2024
by pianix
| 2006-07-03 00:00
| 花
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Comments(3)
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black-frog
at 2007-08-01 01:36
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ご無沙汰しております。
四つ葉のクローバーを研究している、black-frogです。 ヤブガラシに5小葉と3小葉があるというお話を伺い、 ヤブガラシの観察をしてみました。 6小葉や7小葉のヤブガラシを見つけました。 私のブログにその記事を書く際に、 pianix様のブログを紹介させて頂きました。 そのご報告をさせていただきます。 追伸。 8月1日はブログ開設記念日だそうですね! いつ拝見しても、本当に勉強になります。 (これだけの内容をどうやって調べていらっしゃるのでしょうか?)
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pianix at 2007-08-08 22:28
black-frog さん
こちらこそご無沙汰しています。 black-frog さんにはいつも感心しています。 ヤブガラシの葉の変異は何故おきるのか知りませんから、面白そうです。 昨年採取して枯れた根がある花を水差ししていたら、新しい葉が出てきました。多年草だったのですが、その生命力に驚かされています。それと、ほっといて芽が出てきてしまったショウガも成長しています。 ブログの更新は滞っていますが、観察は変わりなく行っています。ただ、画像の整理には戸惑っています。このブログには、普通に知られていることだけを書いていますから、調べることはほとんどありません。
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black-frog
at 2007-08-22 13:34
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 2月末日現在) 合計676,607人 (前年同月比 -5,483人) 男:329,454人 女:347,153人 世帯数324,388戸 (前年同月比 +1.770戸) 最新のコメント
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