アカスジカメムシ(赤筋椿象)
 アカスジカメムシ(赤筋椿象)は、カメムシ科の昆虫です。アカスジカメムシ亜科には4属7種があり、Graphosomaは1種があります。例年に比べ出会う機会が多くなった昆虫の1つです。北海道から沖縄にかけての広い範囲に分布しています。

 黒地に赤い筋が縦方向に走っている派手な色彩のカメムシです。腹側は赤地に黒色の多数の斑点模様があります。赤黒のどちらが地色なのかは悩むところです。この模様を美しいと思うか不気味と思うかは個人差があるかもしれません。一般的に派手な彩色は警戒色であって、他の者を寄せ付けない効果があります。

 体長は、10~12mm。一見すると、翅が他のカメムシと異なって見えます。それは三角形の大きな小楯板が発達しているので、1枚しかないように見えるからです。前翅と後翅は共に小楯板の下に隠れています。臭いの元を出す臭腺は、幼虫では背面に、成虫では腹面に開口します。

 幼虫から蛹を経ずに成虫になる、不完全変態をします。卵殻には点刻がなく, 明瞭で細かい網状構造があり多数の小刺があります(小林)1)。植食性で、セリ科の植物を吸汁し、ニンジンも食害します。植物防疫法施行規則にある「検疫有害動植物」の1つにも挙げられています。
★ ★ ★

 花には虫がつきものです。受粉には、風媒・水媒・動物媒(虫媒、鳥媒)等の媒体があります。受粉に関係していなくても、虫えい(虫瘤)を作り出すものもいます。昆虫と植物の関係は深く、無視できません。出会った虫は何をしているのだろうかという興味が私にはあります。ここに何度か虫が登場するのは、その為です。蜘蛛などは見たくもないし、見つけ次第逃げ出していた私ですが、その恐怖となる実体を見つめなければ不安さえも解消されないと考えて観察を始めました。私の植物観察テーマは、「何故生き続けるのか」という一風変わった哲学的なものです。まずは名前を覚える事から出発します。

 人の名前は、すぐに忘れてしまいます。加齢による物忘れはありますが、若い時からそうでした。しかし、楽譜などは覚えているので不思議です。苦手な名を覚える事に挑戦したきっかけは聖書にあります。マタイの福音書6章に、「6:26 空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。」とあり、「6:28 なぜ、衣服のことで思い悩むのか。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。」と続きます。そこで、鳥か野の花のどちらかをテーマに覚える事にしました。鳥は動きが速くて観察が難しいと考え、野の花にしました。(実は、これはとんでもない思い違いである事に後から気が付きました)。今まで意識しなかった単なる雑草に名前が付けられていて、生活がありました。そして生き延びる手段の中に虫が介在しているので、必然的に虫の名も知りたくなりました。

1) 日本応用動物昆虫学会誌 9(1), 34-41, 1965-03-25

Japanese common name : Akasuji-kamemusi
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Graphosoma rubrolineatum (Westwood, 1873)

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アカスジカメムシ(赤筋椿象)
カメムシ目(半翅目)カメムシ科
学名:Graphosoma rubrolineatum (Westwood, 1873)

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体長:10~12mm
出現期:6月~8月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄
食草:セリ科(ヤブジラミ、シシウド、ハマウド)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.75km 右岸土手 2006.06.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 24 July 2006
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by pianix | 2006-07-24 00:00 | | Trackback | Comments(6)
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Commented by black-frog at 2006-07-27 14:15 x
こんにちは
そういえばメンデルの法則で有名なメンデルさんも牧師さんですね。
>野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。
この言葉がきっかけだったのでしょうか?

植物を観察していると虫についても知識が欲しくなってきますね。
私も虫が苦手ですが向き合わなければいけないと感じました。
それにしても
このように色鮮やかなカメムシが居るとは知りませんでした。。。。
Commented by pianix at 2006-07-31 20:13
black-frogさん

メンデルは修道司祭ですね。

ある結婚式で音楽を担当したときのことです。
写真屋さんが私に、「シンプサンはどこにいますか?」と聞きに来ました。
私は「目の前にいますが」と答えたら、「いや、シンプサンの事です」
新婦さんではなくて神父さんだったのですね。
「ここでは牧師と言います、呼んできます」
神父と牧師はどのように違うのか、日本ではよく混乱するようです。
笑い話、終わり。

「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。」がきっかけです。
でも、すみません、いまだに「注意」して見ていません。
Commented by black-frog at 2006-08-12 18:09 x
凄い勘違いをしてしまいました(+-+;
大変失礼致しました。。。
牧師と神父の違いをネットで検索して少し勉強させて頂きました。

私はまだまだ知らない事ばかりだとつくづく思います。
Commented by pianix at 2006-08-12 23:12
black-frogさん

black-frogさんがメンデルを持ち出したので、メガデルほど私は嬉しかったです。神父と牧師の違いなど調べさせてしまったようで申し訳ありませんでした。葬儀となると、大混乱です。不祝儀には何と書くのか、線香は上げてはいけないのかと、些細な問い合わせが続きます。そこまで気を遣ってくれる周囲の温かさを感じます。因みに不祝儀には「お花代」を使います。当たり前ですが、結婚式では使いません。「ブーケ代」などと書かれていたら楽しいですが。貧しい農家に生まれたメンデルさんは無償で勉強するには修道院しかなかったのでしょうね。そこで農家の為に研究をしたというのは実際的です。(私は毒草を調べて毒の高濃度抽出の新方法を研究します。何に使うのかって?……言えない。嘘。)

Commented by itotonbosan at 2013-12-23 19:57 x
アカスジカメムシは赤と黒の縦縞模様で洒落ています。
この模様は外敵から身を守ってくれるので,
臭いガスを出さないらしいですが本当かなと思っています。
私はセリ科の植物シシウドでアカスジカメムシを見つけました。
Commented by pianix at 2013-12-24 10:27
itotonbosan さんは、博学で追いつけません。
私は匂いの被害にあった事がありません。
周囲の人は、カメムシを見た途端に逃出しますが……
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