ミゾカクシ(溝隠)
 ミゾカクシ(溝隠)は、キキョウ科ミゾカクシ属の多年草です。日本・朝鮮半島・中国・東南アジアに分布します。国内では、全土の溝や畦に生育する在来種です。名の由来は、溝を隠すように茂る様子から。別名のアゼムシロ(畦筵)は、畦に群生して広がる様子を筵に例えたもの。英名は、Chinese lobelia。

 キキョウ科(Campanulaceae Juss. (1789))は、温帯から熱帯に約60属2000種があり、ミゾカクシ属(Lobelia L. (1753))は熱帯から温帯に約300種が分布し、日本には3種が自生します。

 低地から標高1500mあたりまでの広い垂直分布を持ちます。茎は稜があり、地を這い、節から芽を出しながら繁殖します。草丈は10~17cm。葉は、互生します。長さ1~2cm、幅2~4mmの披針形で、鋸歯があります。

 花期は6月から10月頃。葉腋から花柄を長く伸ばして、先端に左右相称で薄紅紫色から白色の花を単生します。花冠の長さは7~10mm、裂片は5裂し、横向きに2枚、下向きに3枚がある唇形です。萼片は2mm程で5個あります。両生花です。染色体数は、2n=42。

 雄しべの花糸は独立しますが、花柱を囲んで葯で合着する集葯雄しべ(syngeneious stamen)で、これはキキョウ科の特徴の一つです。雄しべが先に成熟する雄性先熟で、成熟時期をずらす事により自家受粉を避けています。子房下位。果実は蒴果で長さ5~7mm。微細な種子によって繁殖します。

 有毒です。呼吸興奮薬として用いられるロベリン(Lobeline, C22H27NO2)が含まれ、食品として用いてはなりません。誤食(経口摂取)により、発汗、頻脈、痙攣、低体温症、昏睡等の症状が現れ、重篤の場合は血圧低下から死にいたる場合があります。

Japanese common name : Mizo-kakusi
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Lobelia chinensis Lour.

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左:全体の様子 右:花冠後部から


ミゾカクシ(溝隠)
別名:アゼムシロ(畦筵)
キキョウ科ミゾカクシ属
学名:Lobelia chinensis Lour.
花期:6月~10月 多年草 草丈:10~17cm 花冠長:7~10mm

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【学名解説】
Lobelia : Mathias de Lobel (1538-1616)氏に因む/ミゾカクシ属
chinensis : 中国の
Lour. : Joao de Loureiro (1717-1791)

撮影地:静岡県静岡市
葵区片羽町/畑地 2006.08.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 7 August 2006
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by pianix | 2006-08-07 00:00 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by brizu at 2006-08-09 10:50
アゼムシロ 通り名のほうしかしりませんでした。
しかし、面白い風情の花ですよね。
ちょっとシュールな感じが、斬新です。
群生しているところを見てみたいです。
Commented by pianix at 2006-08-09 20:22
brizuさん

先のコメントでは名前をミススペルしてしまいました。陳謝。
植物名は、なるべく標準和名を使うようにしています。
中には、言い慣れたものが変更されていて違和感を覚えるものもあります。そんな感じでしたか?
このミゾカクシを撮影した日は厳しい暑さで、汗が流れ出て始末に困りました。
暑さでげんなりしている花があれば、元気良すぎというものまで様々ですね。
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