オオイヌタデ(大犬蓼)
 オオイヌタデ(大犬蓼)は、タデ科イヌタデ属の1年草です。日本や北半球の温帯から暖帯に分布します。国内では北海道から九州までの全土に分布します。新帰化植物(江戸時代末期から現代の間に帰化したもの)と言われています。名の由来は、イヌタデ(犬蓼)よりも大型である事から。イヌタデは食用にならないタデの意味。食用となるのはヤナギタデ(柳蓼)。英名は、Curlytop knotweed。

 タデ科(Polygonaceae Juss. (1789))は北半球に約40属800種があります。タデ科の特徴は、葉柄の基部の托葉が茎を包む形の托葉鞘(たくようしょう)となる事です。イヌタデ属(Persicaria (L.) P.Miller (1754))は北半球に約100種あり、日本には約30種があります。旧属名はPolygonumで、polys(多い)+ gonu(節)の意味を持ち、節が関節のように膨れる事に因みます。

 赤味を帯びた茎は分枝しながら80~200cmになります。茎の太さは1cm前後。節は膨らみ托葉鞘(ochrea)となります。托葉鞘とは、茎に取り巻き融合して鞘状になった葉の事です。托葉鞘は約2cm、筒形の膜質で無毛です。無毛である事は、オオイヌタデとサナエタデ(早苗蓼)共通の特徴です。葉は互生します。先が尖った披針形で、長さは15~25cmです。側脈は20~30対あり、葉裏面には綿毛があります。

 花期は6月から11月頃。花序は3~7cmの穂状で、淡紅色か白色の小花を多数付け、開花時には先が垂れ下がります。小花の花弁に見えるのは3mm程の萼片で、花被は4~5裂します。種子繁殖します。畑地では堆肥に混入した種子による侵入が多く、強害雑草となります。堆肥発酵温度60℃/24hで種子は死滅1)します。果実は痩果で、種子は黒褐色の扁平楕円形です。染色体数は、2n=22,24。

1)Effect of duration of heat exposure on upland weed seed viability : Tomoko Nishida, etc. J.Weed Sci.Tech. Vol.44 (1) 59-66 (1999)

Japanese common name : Oo-inutade
e0038990_1016136.jpg
Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. lapathifolia
e0038990_1556944.jpg
オオイヌタデの托葉鞘。無毛が特徴。


オオイヌタデ(大犬蓼)
別名:カワタデ(川蓼)/タデクサ(蓼草)
タデ科イヌタデ属
学名:Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. lapathifolia
synonym : Polygonum lapathifolium L. subsp. nodosum (Pers.) Fr.
花期:6月~11月 1年草 草丈:80~200cm 花径:2~6mm 花序長:3~7cm

e0038990_12135938.gif


【学名解説】
Persicaria : persica(モモ)に似ている/イヌタデ属
lapathifolia : Lapathum属+efolia(のような葉の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Delarbre : Antoine Delarbre (1724-1813)
var. : varietas(変種)
---
Polygonum : polys(多)+gonu(膝、節)
lapathifolium : lapathifolus(Lapathum=acetosaスイバのような葉の)
subsp. : subspecies(亜種)
nodosum : nodosus(結節がある)
Pers. : Christiaan Hendrik Persoon (1761-1836)
Fr. : Elias Magnus Fries (1794-1878)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から5.75km 右岸河川敷 2006.08.15, 2006.08.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 August 2006, 27 October 2014
Last modified: 19 October 2017
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-08-28 00:00 | | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://pianix.exblog.jp/tb/4061626
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by brizu at 2006-08-29 10:05
向こうの空の青とあいまって、
芸術的ですね。すばらしいですよ。
なんか吹いてる風まで見えてくる気がします。
普通にあるのに、タデ系の花は和みますね。^^
Commented by pianix at 2006-08-29 12:44
brizuさん

本来の目的として、本当は芸術的であってはいけない写真ですが、
こうなってしまったのは、とらえどころが無かったからです。反省。
確かに、これを撮影した時は、強い風が吹いていた一瞬でした。それが分かってしまうとは、恐ろしや。
タデ科は河川敷に全盛です。

長い夏休みをしました。
冥王星まで行ってきました。(1週間で行けるの?)
冥土の間違えでした。(ゾンビだったの?)
Commented by brizu at 2006-08-30 09:47
いえいえ、すばらしい写真です。
葉や、花のつき方までチャーンとわかるじゃないですかぁ・・。
僕はこの全体観が、好きですよ。^^
Commented by pianix at 2006-08-30 20:00
brizuさん

気を遣って頂き、ありがとうございます。
夏場は、撮影していると汗がしたたり落ちて眼鏡に溜まるので困りものです。風が吹いて涼しいと喜んでいると、今度は撮影ができません。でも、時間に限りがあるので、シャッターを切るのですが、ぶれてしまって使い物にならない事が多いです。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾) アカマダラメイガ(赤斑螟蛾) >>