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ヒカゲチョウ(日陰蝶)
 ヒカゲチョウ(日陰蝶)は、タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科ヒカゲチョウ属の昆虫です。本州、四国、九州に分布します。日本特産種で、ナミヒカゲ(並日陰)とも言われます。名の由来は、日陰にいることが多い事によります。

 タテハチョウ科(Nymphalidae Rafinesque, 1815)は南極を除く世界の大陸に6,000種ほどが分布し、日本には52種が生息すると言われています。タテハチョウ科の特徴は、翅の斑紋が裏表で異なり、前脚が退化して短くなっている事です。後翅の中室は開き、触覚に鱗粉があります。ジャノメチョウ亜科(Satyrinae Boisduval, 1833)の蝶は、翅に眼状紋があり、暗いところを好み、前脚は退化し、蛹は垂れ下がるのが特徴です。

 雑木林の中で生息します。体長は3cm前後、翅を広げて5~6cmです。全体に薄い茶褐色をしています。外縁に蛇の目模様の眼状紋があります。眼状紋は、後翅表面に1対、前翅裏面に1~2対、後翅裏面に6~7対あり、内2対は大きくなります。後翅裏面には淡褐色の斜帯があり、眼状紋列内側の色が濃くなった暗色条は緩やかに曲がります。性標は、後翅表面にあり、雄の場合は黒茶色の毛束があり、雌にはありません。

 5月~6月、8月~10月の年2回出現します。成虫は樹液や腐食した果実の汁などを吸汁します。幼虫の食草は、ススキ、ササ類です。完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)します。幼虫で越冬します。蛹は垂れ下がります。

 類似種に、黒みが強く暗色条が「くの字」型に屈曲するクロヒカゲ(黒日陰)や、大型のオオヒカゲ(大日陰)がいます。

※参考:ヒカゲチョウ(日陰蝶)の給水

Japanese common name : Hikage-chou
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Lethe sicelis (Hewitson, 1862)


ヒカゲチョウ(日陰蝶)
別名:並日陰(ナミヒカゲ)
チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科ヒカゲチョウ属
学名:Lethe sicelis (Hewitson, 1862)

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体長:(前翅長)25~34mm/(開張)48~62mm
出現期:5月~10月(年2回)
分布:本州、四国、九州
食草:樹木、タケ類(メダケ・マダケ)、ササ類(クマザサ)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川水系/内牧川上流 2006.09.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

3 October 2006
Last modified: 9 July 2018
ヒカゲチョウ(日陰蝶)_e0038990_1703595.gif

by pianix | 2006-10-03 00:00 | | Comments(2)
Commented by brizu at 2006-10-04 12:35
これ、うちの近くの公園にいっぱいいます。
クヌギの樹液に集まってきてるみたい。
ほかの雑木林でもみました。
でも名前の通りでなんとなく暗い感じがします。
ちなみに
下のキクイモって加工用ってことは、
加工すると、食べれるってことですか?
Commented by pianix at 2006-10-04 18:37
brizuさん

私なんぞは、日陰者で……それでもたくさんいるのですね。安心しました。
「因みに」以下は、キクイモの項に書きました。
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