人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ゴマ(胡麻)
 ゴマ(胡麻)は、ゴマ科ゴマ属の1年草です。アフリカが原産で、日本へは縄文後期、あるいは奈良時代に移入されたと言われています。日本では栽培のみで自生種はありません。名の由来は、胡は中国西域諸国の意味で、中国を経由した事に因み、アサ(麻)に似た種子を付ける事から。英名は、sesame。

 ゴマ科(Pedaliaceae R. Brown, 1810)は、アフリカ南部からマダガスカル、熱帯アジアにかけて15属50種が分布します。ゴマ属(Sesamum L. (1753))は、アフリカ南部からインドまでの熱帯地方に15種分布し、栽培されているのは本種のみです。

 全体に軟毛が密生します。茎は四角柱状で直立し、所々で分枝して高さは60~100cmになります。葉は、長さ10cm内外の長楕円形か皮針形です。下部で対生し、上部で互生します。花期は7月から9月で、葉腋に花を付け、茎の中程から上に向かって、順次開花させます。花冠は筒状の先端が5裂した唇形花で、長さ25~30mm。花色は種子の色と関連します。白色は白ゴマ、淡紫色を帯びた白色(ピンク)は黒ゴマです。萼は深く5裂します。染色体数は、2n=26。

 果実は朔果です。長さ25mm程の円柱状で4~8房室があり、1室に約15~20粒があります。熟すと縦に裂開して多数の種子を出します。種子は2種類の皮と、内部に胚乳・子葉があり、脂肪油を40~50%含みます。日本薬局方ゴマ油は、軟膏やリニメント剤などの基剤として用いられます。

 主な原産国は、中国、スーダン、ナイジェリア、タンザニアです。栽培面積比率はインドが30%で世界最大です。日本での主な産地は茨城・埼玉・三重・佐賀・長崎ですが、1950年代から減り始め、現在では輸入依存状態になっています。1997年の輸入量は、15万2000tで、世界貿易量の約3割を占めます。因みに各国での呼称は、イギリスではセサミシード(Sesameseed)、フランスではグランドセサム(graines de sésame)、ドイツではゼーザムザートゥ(Sesamsaat)、イタリアではセーメ・ディ・セサモ(Seme di Sesamo)、中国ではチーマ(芝麻, zhī má)。

Japanese common name : Goma
ゴマ(胡麻)_e0038990_1155378.jpg
Sesamum indicum L.
ゴマ(胡麻)_e0038990_11554823.jpg
果実は朔果


ゴマ(胡麻)
ゴマ科ゴマ属
学名:Sesamum indicum L.
花期:7月~9月 1年草 草丈:60~100cm 花冠長:25~30mm 果期:9~10月

ゴマ(胡麻)_e0038990_21323673.gifゴマ(胡麻)_e0038990_12135938.gif


【学名解説】
Sesamum : zesamm(ギリシャ語)・sessem(アラビア語)の古語に由来/ゴマ属
indicum : indicus(インドの)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬学植物園 2006.09.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

4 October 2006
Last modified: 18 March 2014
ゴマ(胡麻)_e0038990_1703595.gif

by pianix | 2006-10-04 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Comments(2)
Commented by mico at 2006-10-06 07:22 x
ゴマの花可愛いですね、
実物を見てみたいです、
アフリカ原産など、いろいろ勉強になりました。
Commented by pianix at 2006-10-08 14:35
micoさん

ゴマの種子にはお世話になっていますが、花はあまり見ないですね。
種子を取るのは大変なようです。果実が弾ける前に取らないとまずいし、それが徐々にできる時間差が面倒を生むようです。改良種もあるようです。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< ツノゴマ(角胡麻) ヒカゲチョウ(日陰蝶) >>