ヒメヤブラン(姫藪蘭)
 ヒメヤブラン(姫藪蘭)は、キジカクシ科(旧分類ユリ科)ヤブラン属の多年草です。日本や中国が原産で、国内では北海道から沖縄にかけての全土に分布する在来種です。名の由来は、小さな藪に生える蘭から。ヤブラン(薮蘭)より小型なのはコヤブラン(小藪蘭)で、それよりも小型である事から。英名は、Monkey grass。

 キジカクシ科(Asparagaceae Juss. (1789))は、約150属2500種が分布します。旧分類ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ヤブラン属(Liriope Loureiro, 1790)は、東アジアに6種、日本に3種が分布します。3種の内訳は、葉幅が10mm程のヤブラン(薮蘭)、葉幅が4~7mmで小型版と言えるコヤブラン(小藪蘭)、より小型で葉幅が1.5~3mmのヒメヤブラン(姫藪蘭)です。

 根茎は短く、匐枝を横に伸ばして増殖します。葉は根生し、線形で長さ10~20cm、幅は1.5~3mm、鋸歯はありません。花茎は葉よりも短い10~15cmで、茎先に花を付けます。

 花期は7月から9月。花は総状に付き、径5~6mmの淡紫色で、花被片は楕円形で6個あります。平開して斜め上向きに咲きます。果実は蒴果ですが、成熟する前に薄い果皮が脱落します。従って、裸出した種子そのものです。これはヤブラン属とジャノヒゲ属に共通する特徴です。径4~5mmの球形で、熟すと紫黒色になります。染色体数は、2n=36。

 花色が白い品種は、シロバナヒメヤブラン(白花姫藪蘭)Liriope minor (Maxim.) Makino f. albiflora (Murai) Okuyama です。

Japanese common name : Hime-yaburan
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Liriope minor (Maxim.) Makino

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▲ 左:種子(4~5mm)の内部 右:花径は5~6mm
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▲ 葉は細く線形でで、幅1.5~3mm


ヒメヤブラン(姫藪蘭)
キジカクシ科ヤブラン属
学名:Liriope minor (Maxim.) Makino
花期:7月~9月 多年草 草丈:10~15cm 花径:5~6mm 実径:4~5mm

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【学名解説】
Liriope : ギリシャ神話の女神の名/ヤブラン属
minor : minus(より小さい)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz(1827-1891)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
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f. : forma(品種)
albiflora : albiflorus(白花の)
Murai : 村井三郎 Saburo Murai (fl. 1962-)
Okuyama : 奥山春季 Shunki Okuyama (1909-1998)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.10.09
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

11 October 2006
Last modified: 4 October 2015
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by pianix | 2006-10-11 00:00 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by brizu at 2006-10-12 17:19
ヤブランというのは野に唐突にあったりしますよね。
その感じが面白くて好きです。
うちにもいますよぉ。。
Commented by pianix at 2006-10-14 20:00
brizuさん

そうですよね。一角に芝生があると言った感じで、目を近づけて初めて、花が埋もれている事に気が付いたりします。小さくて目立たないので、余計に可愛らしさがあります。
種子を見ると不思議です。ここから根が出て花を咲かせる……。どの種子もそうですが、生命の源を見ている訳ですね。
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