フジアザミ(富士薊)
 フジアザミ(富士薊)は、キク科アザミ属の多年草です。関東及び中部地方に分布する日本固有種です。名の由来は、富士山周辺地に多くある事から。アザミは、語源不明で幾つかの説があります。あざむ(惘)語源説は、アザムはアサマから転訛したもので、傷むとか傷ましいの意(中村 1980)と説明されています。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, 1792は、「合成された」との意味から。アザミ属(Cirsium P. Miller, 1754)は、 世界に300種以上、日本に100種以上が分布します。

 砂礫地や河原に自生します。根は牛蒡状で、食用として利用されます。動物により食害を受ける事があります。草丈は50~120cmになります。葉は羽状中裂し、葉の縁には鋭い棘があります。株の直径は100cmほど。全体に鋭いトゲがあります。総包片は強く反り返ります。

 花期は8月から9月頃。下向きに紅紫色の花を咲かせます。頭花は筒状花の集合花です。頭果の直径は8~12cmで、日本のアザミの仲間では最大です。果実は痩果で、冠毛がある風媒花です。品種に、白い花色のシロバナフジアザミ(白花富士薊) Cirsium purpuratum (Maxim.) Matsum. f. albiflorum (Kitam.) Kitam. があります。セイヨウフジアザミ(西洋富士薊)Carduus kerneri Simonk は、ヒレアザミ属です。

★  ★  ★

 植物を知るには、見る・触る(舐める)・嗅ぐの動作が必要のようです。このフジアザミなどは触るのにちょうど良い見本になりそうです(嘘ですよ)。ノアザミかどうか、私は花の下部を触ってみます。粘るかどうかを確かめるためです。粘れば、ほぼノアザミ。でなければノハラアザミかと考える事ができます。コウゾリナは良い例で、茎のざらつきを必ず確かめます。しかし、アザミは触りたくありません。もう少しこっちを向いてと手を出して痛い思いを何度もしました。

 野草撮影の帰り道、あるお宅の庭先にフジアザミを見つけました。ちょうど水撒きをしていた家人がいたので尋ねてみました。フジアザミにしては花が若干小振りかなと思ったからです。以前は他の場所で咲いていたそうですが、種が舞って現在の所で咲き始めたとの事でした。今年初めて目にしたフジアザミでしたが、山奥でもない民家の建ち並ぶ所で咲いていたのは驚きでした。

参考:ノハラアザミ(野原薊)

Japanese common name : Fuji-azami
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Cirsium purpuratum (Maxim.) Matsum.
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シロバナフジアザミ(白花富士薊)
Cirsium purpuratum (Maxim.) Matsum. f. albiflorum (Kitam.) Kitam.
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羽状の若い葉
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2004.09.20  静岡市葵区梅ヶ島
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2005.08.04 葵区内牧 


フジアザミ(富士薊)
別名:アザミゴボウ(薊牛蒡)
キク科アザミ属
学名:Cirsium purpuratum (Maxim.) Matsum.
花期:8月~9月 多年草 草丈:50~120cm 花径:8~12cm

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【学名解説】
Cirsium : 古名cirsion[cirsos(静脈腫)に薬効ある植物]からの転用/アザミ属
purpuratum : purpuratus(紅紫色の)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891)
Matsum. : 松村任三 Jinzo Matsumura (1856-1928)
---
f. : forma(品種)
albiflorum : albiflorus(白花の)
Kitam. : 北村四郎 Shirō Kitamura (1906-2002)
---
Simonk : Simonkai, Lájos von (1851-1910)

撮影地:静岡県静岡市
葵区梅ヶ島 2004.09.20, 2005.09.19
葵区内牧 2005.08.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

7 August 2005, 3 October 2009
Last modified: 31 May 2014
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by pianix | 2005-08-07 00:00 | | Trackback | Comments(4)
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Commented by クロアジサシ at 2005-08-10 06:09 x
おはようございます。
クロのブログにお越しいただきありがとうございました。
カラスウリのTBもあわせて感謝、感謝です。
フジアザミ、さすがお土地柄ですかね。
減少しつつある在来種の中で、フジアザミは皮肉にも、その種を含んだ土が人為的に運ばれることなどから分布を広げていると聞いたことがあります。実際はどうなんでしょう。
実は、クロの庭にも種から育てたまだ小さな苗がありますが。
Commented by pianix at 2005-08-10 13:44
クロアジサシさん、こんにちは。
マニアですね。私はド素人なので家内から、大学の社会人枠で拾ってもらって勉強してこいと言われてしまっています。
苗のフジアザミがあるということなので、可愛がって撫でながら育てて下さい。
Commented by 酒井 安樹 at 2009-10-03 01:29 x
突然にて、 9/12児童らと行った横須賀市内荒崎海岸公園の付近の「どんどん引き」 ここは6千年の昔海底だったと、斜めに走る断層、地層のことはよくわからないが横須賀市教委の看板が付近の荒崎海岸公園に建てられていました。 六千年の日々潮はドーンドーンと断崖を打ち削ってきた。 夕陽が落ちるとき大潮に重なったらさぞ圧巻でありましょう。 添付のアザミ写真は荒崎海岸ハイクの事前調査日に撮った「アザミ」を添付します、これから開花しようかのところです。これが普通の野薊なのか富士薊かは不明です。貴ブログには富士薊が咲いていたいた土が運ばれた土から富士薊が蘇生?したこともあると記されていましたが、富士噴火のとき、三浦半島にも火山灰が降ったかなと想像するのです。 今回地域の小学児童の興味はドロメやカニに集注していましたが、当方は昨10/02所属する句会に 「どんと引き太古の潮香富士薊」を出しました、選にあたり師は富士からの距離を気にしておりましたが添付写真の正体が富士薊か普通の野薊か気にまるところです自然クラブ酒井 安樹 9/03
Commented by pianix at 2009-10-03 13:47
酒井 安樹さん、こんにちは。
コメントをありがとうございます。残念ながら酒井さんの写真を確認できません。
フジアザミとノアザミ、あるいはノハラアザミの外観上の姿は明らかに異なるものです。まずは花が上向きに咲いているか下向きに咲いているかをご確認下さい。次に総包片を確認下さい。花の大きさも異なります。
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