ヨモギ(蓬)は、キク科ヨモギ属の多年草です。日本や朝鮮半島に分布します。日本では、本州、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、諸説があります。四方に根茎を伸ばして増える意味から、ヨモギ(四方草)、良く燃えるのでヨモギ(善燃草)等の説があります。又、蓬の漢字を充てるのは間違えとの説もあります。中国名は、魁蒿(kuí hāo)。
キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。ヨモギ属(Artemisia L. (1753))は、約250種が北半球の温帯を中心に広く分布し、日本には約30種があります。 地下茎は横に伸びて増殖します。他の植物の発芽を抑制するアレロパシー(allelopathy)作用があります。茎は直立し、多数に分枝しながら高さ50~120cmになります。茎や葉裏には白色の綿毛が密生します。乾燥させた葉から採った綿毛は、鍼灸で用いるモグサ(艾)の原料となります。葉は、互生します。長さ6~12cm、幅4~8cmで、羽状に深裂し、2~4対の裂片となり、鋸歯があります。柄があり、基部に仮托葉がありあります。表面は緑色、裏面は綿毛が密生して灰白色。早春の若葉は草餅に使われます。乾燥葉をガイヨウ(艾葉)と称し、漢方で腹痛、吐瀉、止血などに用います。花期には根生根や茎下の葉は枯れます。 花期は、8月から10月頃。枝先に円錐花序を出します。頭花は下向きに多数咲き、筒状花のみで舌状花はありません。花径は1.3~1.6mmで黄緑色。中心に両生花があり、周りに雌花があります。受粉後は茶色になります。総苞は長楕円状鐘形で長さ2.5~3.5mm、総苞片は4列に並びます。花粉の大きさは26~28μm。風散布型で、花粉症の原因花となります。果実は痩果で、長さ1.5mm。染色体数は、2n=34。 類似種に、関東地方以西から九州、琉球、台湾、中国、東南アジア、インドに分布する、ニシヨモギ(西蓬)Artemisia indica Willd.、近畿地方以北、北海道、樺太、南千島に分布する、オオヨモギ(大蓬)Artemisia montana (Nakai) Pamp. があります。 ヨモギワタタマバエ(蓬綿玉蠅) Rhopalomyia giraldii Kiefer et Trotter, 1900 に寄生され、虫瘤のヨモギクキワタフシ(蓬茎綿附子)が作られる事が多くあります。また、ヨモギエボシタマバエ(蓬烏帽子玉蠅)Rhopalomyia yomogicola (Matsumura, 1931)によるヨモギハエボシフシ(蓬葉烏帽子附子)も同様です。 Japanese common name : Yomogi ヨモギ(蓬) 別名:カズザキヨモギ キク科ヨモギ属 学名:Artemisia indica Willd. var. maximowiczii (Nakai) H.Hara synonym : Artemisia princeps Pamp. 花期:8月~10月 多年草 草丈:50~120cm 花径:1.5mm・長さ3.5mm 【学名解説】 Artemisia : ギリシャ神話の女神アルテミス(Artemis)に因む/ヨモギ属 indica : インドの Willd. : Carl Ludwig von Willdenow (1765-1812) var. : varietas(変種) maximowiczii : Maximowiczia, Carl Johann Maximowicz (1827-1891)の名に因む Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952) H.Hara : 原 寛 Hiroshi Hara (1911-1986) --- synonym : (シノニム)同物異名 princeps : 王公・貴公子のような・最上の Pamp. : Renato Pampanini (1875-1949) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2005.12.06, 2006.10.09 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 16 October 2006, 22 July 2015(Scientific name update) Last modified: 04 August 2018
by pianix
| 2006-10-16 00:00
| 花
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 1月末日現在) 合計677,147人 (前年同月比 -5,763人) 男:329,734人 女:347,413人 世帯数324,434戸 (前年同月比 +1.576戸) 最新のコメント
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