テンニンソウ(天人草)
 テンニンソウ(天人草)は、シソ科テンニンソウ属の多年草です。北海道から九州に分布する日本固有種です。名の由来は不明です。虫食いされた葉の綻びを、破れ衣である羽衣に見立てたとか、花の集まりを天女の舞いに見たてたとの説があります。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。テンニンソウ属(Leucosceptrum J.E. Smith, 1805)は、オドリコソウ亜科に含まれます。日本とヒマラヤに6種があるとされています。

 山間部の木陰に自生し、木化した地下茎で群落を形成します。茎は、シソ科特有の4稜(断面四角形)で直立し、高さ50~100cmになります。葉は対生し、葉柄があります。長さ10~25cm、幅3~9cmの長楕円形から広披針形で鋭頭、鋸歯があり無毛です。

 花期は8月から10月頃。茎頂に長さ10~18cmの穂状花序を出し、淡黄色の唇形花を密生させ、花序の下から順に開花させます。花冠は長さ約8mmで、先は浅く5裂し、上唇は2裂、下唇は3裂します。雄しべ4本、雌しべ1本があり、長く突出します。花柱先端は2裂します。萼は筒形です。果実は堅果です。染色体数は、2n=46。

 類似種のフジテンニンソウ(富士天人草)Leucosceptrum japonicum (Miq.) Kitam. et Murata f. barbinervium (Miq.) Kitam. et Murata は、テンニンソウの一品種(f.:forma)で、葉裏の中肋(ちゅうろく=葉の中央を走る太い葉脈)や花穂の柄に開出毛があります。変種(var.:varietas)に、葉が丸く大きいオオマルバノテンニンソウ(大丸葉の天人草)Leucosceptrum srellipilum (Miq.) Kitam. et Murata var. radicans (Honda) T.Yamaz. et Murata があり、広島・山口・四国・九州に自生します。

Japanese common name : Ten'nin-sou
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Leucosceptrum japonicum (Miq.) Kitam. et Murata

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左:全体 右:蕾の苞は開花と共に落ちる
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テンニンソウ(天人草)
シソ科テンニンソウ属
学名:Leucosceptrum japonicum (Miq.) Kitam. et Murata
花期:8月~10月 多年草 草丈:50~100cm 花序長:10~18cm

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【学名解説】
Leucosceptrum : leuco(白い)+sceptron(長い柄がある帝王の笏)/テンニンソウ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
Kitam. : 北村四郎 Shirō Kitamura (1906-2002)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&に同じ)
Murata : 村田 源 Gen Murata (1927- )

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から47.5km 右岸河川敷 2006.10.09
高山(牛ヶ峰 Alt.717m) 2014.09.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

20 October 2006
Last modified: 23 September 2014
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by pianix | 2006-10-20 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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