ヒキオコシ(引起こし)
 ヒキオコシ(引起こし)は、シソ科ヤマハッカ属の多年草です。日本や朝鮮半島に分布します。日本では、北海道西南部から九州にかけて分布する在来種です。名の由来は、この汁を飲ませると胃痛の病人を引き起こせるとの言い伝えからで、別名のエンメイソウ(延命草)も同様です。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。ヤマハッカ属(Isodon (Schrader ex Bentham) Spach, 1840)は、日本、中国、ヒマラヤ、東南アジアにかけて96種が分布します。Plectranthus*)やRabdosiaの属名が使われる事があります。

 地下茎があり、直立し、高さ50~100cmになります。茎は4稜(断面四角形)があり、下向きの毛があります。葉は対生します。長さ5~15cm、幅3.5~7cmの広卵形で、鋸歯があり、葉脈上に短毛があります。先端は鋭頭。葉柄は翼があり1~5cm。

 花期は9月から10月。枝先や葉腋から5~20cmの円錐花序を出し、白色で淡青紫色を帯びた唇形花をつけます。花冠の長さは5~7mm。上唇は4裂して立ち上がり、紫色の斑点があり約2mm。下唇は浅く2裂した舟形で約3mmです。萼は5裂し、灰白色の短毛が密生します。雄しべは4本で、二強雄しべ。果実は堅果で長さ約1.5mmの小斑点がある楕円形です。

 茎葉を乾燥させたものを、生薬エンメイソウ(延命草)として、消化不良、食欲不振、腹痛などの緩和に用いられます。ジテルベン系苦味成分であるenmein、nodosin、oridoninが含まれます。

Japanese common name : hikiokoshi
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Isodon japonicus (Burm. f.) H. Hara
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花冠の長さは5~7mm
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(240x320/12kb)

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左:高さは50~100cm 右:葉は対生し広卵形


ヒキオコシ(引起こし)
別名:エンメイソウ(延命草)
シソ科ヤマハッカ属
学名:Isodon japonicus (Burm. f.) H. Hara
花期:9~10月 多年草 草丈:50~100cm 花冠長:5~7mm

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【学名解説】
Isodon : iso(等)+dons(歯)/ヤマハッカ属
japonicus : 日本の[japonicus(男性)/japonica(女性)/japonicum(中性)]
Burm. f. : Nicolaas Laurens Burman (1734-1793)
H. Hara : 原 寛 Hara Hiroshi (1911-1986)
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Plectranthus : plectron(距)+ anthos(花)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川上流 2006.10.27
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

21 November 2006
Last modified: 23 October 2010
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by pianix | 2006-11-21 00:00 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by namiheiii at 2006-11-22 22:24
延命草をヒキオコシと言うのですね。始めて知りました。成分のenmeinから草の名前を記憶していました。
Commented by pianix at 2006-11-23 15:14
namiheiiiさん

enmeinを知っておられるという事で、通ですね。
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