コゴメウツギ(小米空木)
 コゴメウツギ(小米空木)は、バラ科コゴメウツギ属の落葉低木です。朝鮮半島や中国、日本に分布します。国内では北海道から九州にかけて分布する在来種です。名の由来は、小さい蕾を小米に見立てたもの。小米は砕けた米粒の事。ウツギは茎が中空である事から。英名は、Lace shrub。

 バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、南極を除く、ほぼ全ての大陸に約107属3100種が分布します。コゴメウツギ属(Neillia D. Don, 1825) は東アジアに5種、日本には2種が自生します。旧属名は、Stephanandra Siebold & Zuccarini, 1843。

 山間部に叢生します。樹高は1~2m。樹皮は灰褐色で、縦に細い裂目があり、中空1)です。枝は細く髄があり、良く分枝します。葉は互生します。長さ20~60mm、幅15~35mmの三角状広卵形で、先端は尾状に伸びた鋭尖頭、重鋸歯があり葉縁は羽状に裂けます。葉は黄緑色で葉裏は白味を帯び両面に散毛があります。

 花期は、5月から6月頃。枝先や葉腋から花柄を出し総状花序をつけます。花は白色でヘラ形の花弁5枚があり径4~5mm。萼は花弁より短い卵形の白色で5枚があり、花弁と合わせて10枚に見えます。日が経つと黄白色になります。

 旧属名は、雄しべが雌しべの周囲に輪状に並ぶ事が属名の由来となっています。stephanos(冠)+andron(雄しべ)で、周囲に雄しべが囲むとの意味合いです。雄しべは10個で葯の色は黄色。雌しべが中央に1個の両性花です。果実は袋果です。球形で径2~3mm。種子は1~2個あり約1mmです。染色体数は、2n=18 (Yoshikane Iwatsubo and Naohiro Naruhashi, 1992)。

1)中空茎の植物は、木本、草本に関わらず多くが存在しています。また、初めは髄が詰っていて、時間経過と共に柔らかい髄の細胞質が壊れて消失し、中空になる場合があります。コゴメウツギの場合は、古くてある程度の太さの茎が中空になります。葉を付けた枝には髄が詰っています。

Japanese common name : Kogome-utugi
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Neillia incisa (Thunb.) S.H.Oh

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左:花(径4~5mm)と蕾 右:雄しべ10本が雌しべを取り囲む

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左:一見すると花弁が10枚のように見える 右:蕾
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裏側から見た萼の様子。長い方が花弁で短いのは萼
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茎標本
【詳細説明】 左から外径(内径) : 11.6mm(6.4mm)。10.5mm(5.3mm)。8mm(2.7mm)、2.42mm(1.8mm)。左は完全に空洞で多数の蟻が入っていた。左から2番目はオレンジ色に変色した髄が詰っていた。左から3番目は細い空洞。左から4番目は葉が付く枝で白色の髄が詰っている。ラベル表記は、旧属名。


コゴメウツギ(小米空木)
バラ科コゴメウツギ属
学名:Neillia incisa (Thunb.) S.H.Oh
synonym : Stephanandra incisa (Thunb.) Zabel
花期:5月~6月 落葉低木 樹高:1~2m 花径:4~5mm 果期:9~10月

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【学名解説】
Neillia : Patrick Neill (1776-1851)氏の/コゴメウツギ属
incisa : incisus(鋭く裂けた)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
S.H.Oh : Sang-Hun Oh (?- )
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Stephanandra : stephanos(冠)+andron(雄しべ)/コゴメウツギ属
Zabel : Hermann Zabel (1832-1912)

撮影地:静岡県静岡市
千代山(Sendai-Yama) 2007.04.30
安倍城跡(Alt. 435m) 2014.05.26
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

26 May 2007, 27 May 2014
Last modified: 17 December 2015
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by pianix | 2007-05-26 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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